風を道しるべに…(2) MAO 15歳・夏 (講談社X文庫) [Kindle]

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  • 両親の飛行機事故死から2か月後、北海道での生活に慣れてきた麻央。
    緑山中学では青山なぎさと友達になれたものの、命の恩人である堤健太郎の事は許せないでいた。
    夏休みでは菜々子や比呂志が訪ねてくるため、麻央は初めて北海道の夏を迎える事になる…。
    15歳になった後、菜々子だけでなく、比呂志君とも再会できてよかったです! 菜々子との関係は相変わらずですが、比呂志君とはギクシャクしてしまったような感じがします。それでも、東郷家の人達に内緒にしてまで北海道へ来た比呂志君の意志はすごいと思いました。麻央の事を大切に想う気持ちがよくわかりました。
    北海道へ来て初めて友達になれたなぎさちゃんはすごく優しいけれど、命の恩人である健太郎君の異常なからかいぶりがとにかく最悪です。麻央の前で照れてしまうのが原因のようですが…。1冊目では名前しか出てこなかったため、健太郎君が二枚目少年だとわかる前、てっきり『となりのトトロ』に登場したカンタみたいな少年をイメージしていたのです。でも、今回初めて健太郎君が挿絵で登場した時、「え~っ、これが健太郎君なの!? あれだけ麻央の事をからかってるくせにカッコよすぎるわ!」と思いました。ついには麻央を「ハクチョー」呼ばわりするし…。
    健太郎君の秘密を知った後はとにかく複雑でした。実は優しかったり、妹の早苗ちゃんの足を治すために医者になるという夢を抱いていたり…。それで私は、「そんな人が、麻央をいじめたりからかったりしていいの!?」と激怒しました。医者になりたい人が、人をいじめたりからかったりするなんて考えられないと思ったからです。現に、小学校時代の卒業文集を見て「医者になりたい」とか、「獣医になりたい」と書いていたいじめっ子達がいたのです。それも、私の存在を全否定するためにいじめた人達だったのです。「私の事をさんざんいじめた人が医者になるなんて、絶対に許せない! 人の命がかかっているのに! どうしても医者になりたいんだったら、私の命も大切にしてよ! 私の命を大切にしない人達なんて全部大嫌い! とにかく最低よ!」と憎悪してしまうくらいに…。
    今回はまるで『赤毛のアン』を思い出すような感じがしました。特にテストの話の時、麻央が健太郎君にライバル意識を燃やして頑張る所がよく似てると思いました。
    ギルバートがアンをからかったのは教室騒動の時だけでしたが、健太郎君の場合はとにかくひどいです。健太郎君が比呂志君と同様、麻央に優しく接していればこんな事はないのですが…。私は基本的に優しい感じの人が大好きなので、健太郎君のような「好きな子いじめ」をする男子は一番苦手です。いや、そもそも「いじめ」という言葉が使われている時点で大嫌いだというべきなのかもしれません。
    すっかり話をそらしてしまいましたが、高校受験の行方が気になるところです。

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著者プロフィール

 広島県生まれ。上智大学文学部卒業。出版社勤務、フリー編集者、コピーライター を経て、作家デビュー。講談社X文庫『風を道しるべに……』等で大人気を博した。 その後、児童読み物に重心を移す。主な作品に、『いちご』(全5巻)、『青い天使』(全9巻)、『パセリ伝説』(全12巻)『パセリ伝説外伝 守り石の予言』『ラ・メール星物語(全5巻)』、『魔女の診療所(全8巻)』、『ドジ魔女ヒアリ(全3巻)』、『ポレポレ日記(全5巻)』、『生きているだけでいい!~馬がおしえてくれたこと~』、『夜カフェ(全12巻)』(以上、すべて青い鳥文庫/講談社)、『倉橋惣三物語 上皇さまの教育係』(講談社)、『風の天使』(ポプラ社)などがある。

「2023年 『星カフェ この気持ちが恋だとしたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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