アニメ銀魂の完結篇として、これ以上ない出来だったと思う。それは今まで何もかも一人で抱えようとしてきた主人公の性質が一番強く出たこの話で、周囲の助けを受け入れることで事態が解決する、という点にも表れている。
また、全ての歴史改変が終わった後に消えた彼等が、これまで私たちがアニメで見てきた彼等であると捉えることもできる。あそこで登場人物が文字通り消滅することで一度今まで見てきたアニメ銀魂は閉じ、またそこを起点として始まる。そういう意味でもこの映画は「完結篇」だったのだと思う。
この映画は漫画原作者がストーリーの原案を練っているために映画オリジナルストーリーでありながら原作の持ち味を失わず、尚且つ映画でしかできない話となっている。「これは果たして映画にする意味があったのか」的な映画化は星の数ほどあるように思われるが、映画でしか描けない、という話をきっちり描ききっているのは流石、としか言いようがない。
不満を上げるとすれば尺が若干足りないのではないか、という点くらいか。終盤の盛り上がりでは決め台詞を詰め過ぎて少しくどい印象を受けた。あと20分くらいあればくどい印象を与えず、自然な台詞運びになったような気がする。