有害化学物質の話 (PHPサイエンス・ワールド新書) [Kindle]

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  •  90年台の終わりに環境ホルモンがメディアに大きく取り上げられ、その後どうなったのかと気にはしていたが、状況は好転しているわけではないということを、改めて認識させられた。

     急性毒性を持つ化学物質は、被害がわかりやすいが、慢性毒性、世代間汚染などは表面化するまで時間がかかりわかりにくい。しかしその評価をするための予防原則は有効だと思うし、予防原則についての記述が少ないのは少し物足りなかった。

     法的な整備は少しづつ進んでいるようで、PRTR制度、REACHなどの取り組みを簡潔に紹介されている。今後より一層これらの制度が、ローカルなレベルにまでに浸透してほしいと思う。

     なかでも、考え方として興味深かったのは「世代間公平性」について。生涯収入、年金など経済面でも世代間格差が問題視されつつあるが、環境面でも同様のことが言えるようだ。今までの環境汚染のツケは、子や孫の世帯が払うことになるのかもしれない。

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著者プロフィール

井田徹治:共同通信社科学部編集委員。本社科学部記者、ワシントン支局特派員などを経て、2010年より現職。環境と開発、エネルギー問題をライフワークに、途上国の環境破壊の現場や、多くの国際会議も取材。著書に『生物多様性とはなにか』(2010年)など。

「2021年 『BIOCITY ビオシティ 88号 ガイアの危機と生命圏(BIO)デザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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