葡萄色の死 警察署長ブルーノ [Kindle]

著者 : マーティン・ウォーカー 山田久美子

• 東京創元社 (2012年11月29日発売)

感想・レビュー・書評

[sanaさんの感想 · 2014年5月24日]

警察署長ブルーノ２冊目。
フランスの田舎町を舞台に、イギリス人作家が描くシリーズです。

前作で知り合った美貌でやり手の女性刑事イザベルと楽しい夏を過ごしたが、彼女は抜擢されてパリへ。
生き方の違う二人の恋が終わった頃。

サンドニにある遺伝子組み換え作物の試験場が、放火された。
駆けつけたブルーノは近隣を見回り、国家警察の捜査に協力することに。
協力というか、人情警官のブルーノは地域の人が迷惑をこうむらないように先回りして手を打っていくという感じですね。

警察署長はテニスとラグビーのコーチを務めるのがこの村の伝統。
それで知っている子供や若者も多いブルーノ。
ラグビーを教えた好青年マックスはワイン店の従業員で、ワイン農家をやっていく夢を抱いていた。
カナダから同じ店に見習いに来ている実習生ジャクリーヌは美貌で、マックスはすっかり夢中になっている様子。

葡萄の収穫期を迎え、ワイン作りは村中総出のシーズンに入ります。
折りしも大企業ボンディーノが、サンドニの土地を買占め、大量のワインを売り出す計画が持ち込まれる。
ブルーノが尊敬する村長のマンジャンは乗り気だが、ブルーノは不安を覚える。
ボンディーノの若社長は自ら村に乗り込んでくるが‥

ゲストハウスを経営する英国女性パメラといい雰囲気になって来たりと、ブルーノも忙しい。
事件は今のフランスで起こりうる現実的な要素を取り入れてあり、けっこう大騒動なのですが、生活を楽しむフランスらしい描写がリアルで、何だかお腹がすいてきます。
安定した筆致で、美しい村の暮らしぶりが読めるのがいいですね。

[チヒロウさんの感想 · 2014年4月14日]

シリーズの１作目を読んでハマッたので立て続けに。今度は大好きなワインがメインのミステリー。これまたちょっと普通とは違う角度のミステリー。ヨーロッパの田舎における環境保護団体・政党って、こういう立ち位置なのかー…とちょっと興味深く思った。
段々ブルーノのラブ要素も複雑に…。最初は冴えない田舎のなんでも屋の警察署長さん、かと思いきや。さすがはアムールの国の警察署長！この先、結局どこに落ち着くんでしょうかねぇ〜。

[こむぎこさんの感想 · 2023年4月4日]

フランスの田舎サンドニで起こった放火時件に警察署長ブルーノが取り組む。さらに殺人？が。
ブルーノは有能で、ハンサムみたいだし、美女が若いのも熟女も次々と現れて、さすがフランス、色恋ざたもおしゃれで夢みたいな話です。
出てくる料理もとてもおいしそう。登場人物は映画みたいにかっこいい会話を交わす。こんなフランスの田舎に住んでみたい！きっと英国人の憧れなのでしょうね。私にとっても。

[ch13さんの感想 · 2019年12月6日]

2019/12/05読了