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感想・レビュー・書評
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自分が生まれた頃は東西冷戦の真っ只中だった。
ソ連という国家がある事は知っていた。しかし、その実態について知っていた事は、数えるほどしかない。
レーニン、スターリン、コルホーズ、ベトナム戦争、キューバ危機、社会主義、共産主義、ブレジネフ、ホットライン、ゴルバチョフ、ペレストロイカ、、、
そして、いつでもソ連は敵対視され、映画やドラマで敵対国として描かれていた。
周囲でもソ連、そしてその後のロシア連邦について、悪い印象しか持っていない人は多い。よく聞かされる話は不可侵条約を破って日本に攻めてきた裏切り者というような発言だ。そこにはスターリンという人格を重ね合わせて語る人も多い。
回答に困る様な無条件降伏案を突きつけて、答えに窮するのを見越して二発の原爆を立て続けに落としたアメリカやトルーマンも大概だと思うのだが、アメリカの印象は戦後ずっと、波はあるもののそれほど悪くならない。
しかし、ソ連、ロシアへの評価は、どれだけ元首が変わってもコンスタントに悪い。
しかし、振り返ってみたとき、自分は歴史を踏まえて、体系的にソヴェト連邦という国を学んだ事はなかった。
なので基本知識をおさえてみたいと思ったのだ。
昨年後半から考えていたことなので、読んだタイミングがこんな時になってしまったのは偶然に近い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
西側諸国とはまったくことなる100年を過ごしてきたことがよくわかる。
なにかは特定できないが、想像もつかないなにかが彼らを結束させうることに歴史が少なからず関わっているというこうとも。 -
ソビエト連邦と言うと暗そうで貧しそうで言論の自由がない国家という印象があった。
第一次世界大戦の革命をきっかけに生まれたこの国は確かに暗くて貧しくて言論の自由が無い側面もあったようだとこの本を読み終えて感じた。
広すぎる国土や急速に発達、変化する世界情勢そう言った様々な外部の要因に対して柔軟に振る舞うことができなくなった結果陥った悪循環のように思う。
私がソ連に抱いていたイメージはスターリンの独裁体制や一党制によるものが原因であると思っていたが、その実態は現状を直視して対策ができなくなることにあったようだ。
社会主義や共産主義、民族自決に非があるわけではない。言い返せば、我々の社会もまたソ連のような暗くて貧しく自由のない社会に陥る可能性を秘めていると感じた。