巷談 本牧亭 (ちくま文庫) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
4.00
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (312ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 直木賞受賞作‼️

    なんだかほっこりする、人間模様。
    いまとなってはあまり見られなくなってしまった風景や、時間の流れを味わわせてくれる作品。

    ただ、全盛期ではなく、順風満帆ともいかない…
    いつの時代もそうかもしれないが、目には見えない"時代"という大きな流れの中で生き抜いていこうとする人々。
    本牧亭を取り巻く、強くて弱い人々を絶妙な筆致で描く本作品は、一昔前の日本を味わいたい方にピッタリ✨

  • 巷談(こうだん)と講談をかけたのか、浅草の講談専門の「本牧亭」をめぐる人間模様。

    歴史小説かとちょっと構えるも、基本的には戦後の話なので、お金の価値が10倍だか違っている以外は現代のような話。演者も観客も高齢化し、若い観客を見たら舞台の関係者。

    そんな狭い世界の中で、偽の葬式を出してみたり、著作権がらみで訴えられそうになったりと、小さいがドラマチックなエピソードを、これまた講談調に叙述する。

    古い小説でも有って、少々「これくらい知っとけよ」という投げやりな部分もあれど、半分近くになってくると、人を見分けることが出来てきて面白くなる。

    また、舞台での専門的(?)な話から、休日にスケートをする話など、緩急も程よく、のめり込むほどのストーリーではないが、心地良い展開である。

    かなり昔に直木賞を取った作品だそうで、賞を取ったなりに面白いし、変に気取ったり達観していないところは好感が持てる。

    短編集のようなかたちであるので、電子書籍で読んでみるのもオススメだ。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1908(明治41)年東京市浅草区向柳原町生まれ。8代目竹本都太夫の長男。都新聞を経て文筆家へ。落語を中心に芸能全般の評論を手がける。また演芸プロデューサーとしても活躍。63年「巷談本牧亭」で直木賞受賞。69年、持病の糖尿病が重くなり、都立駒込病院で死去。

「2020年 『東京の面影 安藤鶴夫傑作随筆選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安藤鶴夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×