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感想・レビュー・書評
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功利主義と民主主義の間で揺れ動く自由主義についての一冊。
時代と場所によって異なる自由という概念について、中立の立場から切り込みます。
個人のレベルにおいても語られ、全体主義と個人主義の中間に自由があるように思えました。
とても難しいテーマですが、功利主義と民主主義の暴走を防ぐための重要な知識が綴られています。
初版は1859年になりますが、現代でも十分通用すると同時に必要な本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1859年の著作。1867年にマルクス資本論が書かれていることを考えると社会的な状況はさほど違いがないのではないか。同じイギリスだし。
ミルが描く世界はマルクスが見ている世界ほど絶望的ではないようだ。
自由に生きる社会をつくることで個性を育んでいけると言う。でも好き勝手に振る舞うということでは無い。
愚民が、愚かな政治を行う。愚民が増えれば世の中はダメになってしまう。だから、個性的な人材を増やす。そうすることによって世の中が良くなると言うのだ。つまり、個性の育つ世の中を作る必要がある。
マルクスが不自由な世界を見て、資本論を書いたことを考えると、ミルはどの世界を見てこの本を書いたのだろう。 -
名著であり、是非多くの人にも読んでもらいたいと思った。この本はわかりやすく書いてあるものの、難解であり、私はすべてを理解できてないだろう。
しかし、世の中一般論が、必ずしも正しくなかった事実や、異なる意見を持つ人との議論の大切さを、納得感ある形で、学べた -
国家の権力に対して、自由を保障していく必要がある。しかし、他人に実害を与える場合は、国が権力を行使できる。このバランスが難しい。自由論は難しいテーマだが、平易で割と読みやすい。
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翻訳が素晴らしい。この手の古典はいかにも難解な言い回しが多いので、こんなに読みやすいものは初めてかもしれない。
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今こそ読むべき本だと思う。
ミルの危機感を知ると、現代の世界の
行き詰まりは19世紀から始まっていたんだと
感じる。
権威=オカミ、に判断と責任を委ねたく
なるけど、
そこを踏ん張らないといけないんだよな、
本当は。 -
社会は、ひとびとが独自に性格を形成する苦労を省いてあげるために、性格の型をいくつか用意し、それにあわせれば済むようにしているが、天才はそうした型にあてはめにくく、無理におしつけると弊害が出る。
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ダーウィンの「種の起源」と同年の1859年に出版された本です。
多様性が求められる一方で、不寛容さも目につく現代においてこそ、大事な論点がこの本には詰まっていると思いました。要所要所で古さを感じさせないのは、彼の思想が現代にも受け継がれ、社会に反映されている部分があるからだと実感させられます。
本書では、主に個人の自由や、多様性はどこまで認められるべきかということ、自由や多様性を認めることでもたらされるものについての考えが展開されます。それらを認めずに、画一的な人間を管理するような国家には未来がないと述べています。
自由や多様性はともすれば独創的で、独創的故に他人に理解されにくいことが懸念されます(みんなに理解されるものは独創性が低い)。しかし、人間の心や精神は靴や服以上に全ての人間を同じものに収めることはできないはずだ、と考える著者の考えには共感できるのではないでしょうか。
人間の価値を改めて考える一冊になると思います。 -
本当の「自由」とは何かについて論じた本。
他人に迷惑をかけない限り、好きに生きるのは自由であり、互いの生き方を尊重すべき。そして、反対意見には耳を傾けること。
光文社古典新訳文庫は読みやすい訳で書かれているのでオススメです。 -
個人に対して社会が正当に行使できる権利の性質及びその限界について述べている本。
また、人の個性の大切さについて描いている。
現代の社会状況にも、当てはまることが多いので、読んでためになった一冊です。