- Amazon.co.jp ・電子書籍 (196ページ)
感想・レビュー・書評
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以前から気になっていた作品でした。読んでみると、戦争小説というより、哲学的な感じを受けました。また、戦争というと、敵との争いの内容が多いと思っていましたが、この作品はまったく違いました。極度に腹を空かした日本兵が食糧を求め、死と向き合い、自分が何であるのかが描かれています。
人間の肉を食べなければ生きていけない世界、戦後のトラウマから逃れられない日常を主人公の主観的な感情で話が進んでいきます。
今だからこそ、人を食べるなんて・・・と思えますが、戦争をしている世界に正しい、正しくないという分別なんてっと思えてもきます。
戦争は絶対にしてはいけない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分を基準としているから他人の弱さが分からず、人は「正義」の名の元に裁いたりしていると考えさせられる作品だ。
人間の考える正義は自分に都合良いもので、穴だらけであり、人それぞれに異なった基準、正義があるから人間の判断はブレるのだ。
また、その判断ができないから葛藤するので正義に生きるとは正しい生き方なのか否かは個人の判断によるものではないのかと自身の生き方を省察させられた傑作。 -
難解だけれど何度も読みたいと思った。
「死ねば私の意識はたしかに無となるに違いないが、肉体はこの宇宙という大物質に溶け込んで、存在するのを止めないであろう。私はいつまでも生きるであろう」これは私自身の死の観念というか願望とほぼ同じで驚きと同時にちょっと感動。 -
一行目を読んだ瞬間に、戦場に叩き落とされたような感覚に陥った。まだ掴みきれていない部分が多い。再読必須。
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フィリピンの島での従軍中、肺病で戦争に加われず病院に行けと言われたが、食べ物も少なく受け入れてもらえない。病院の爆撃があり、一人で逃げつづける。
戦争で同じような悲惨な体験をした人が多かったのかもしれず、戦争は繰り返してはならない。 -
戦争小説として、その凄絶さは読んでみないとわからないであろう。現代の小中高校生に一読を進めたい。NHK教育でなんとかDe名著で紹介されており購入。小説としてもよくできている。
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戦争末期のレイテ島に取り残された、ひとりの日本兵の記録。「戦争を知らない人間は、半分は子供である」。人間が、獣ですらない、異形のものになる瞬間が克明に描かれます。
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記憶のなかの臭いや熱を指先からじわりと吸い取ってしまった。狂うことでしか生き延びられなかったその時代の感触をわずかでも感じ取ることができたのなら、それを感じ続けることがこの作品に価値を与えることなのだと思う。
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よくわからない小説だった。
解説もよくわからん。
高校のとき、
高校の図書館で レイテ戦記 を借りて読んだが、
レイテ戦記は難しくなかった。
英霊の御霊に哀悼の誠を捧げます。