犬婿入り (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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  • 芥川賞受賞の表題作のほか、1作が収録されている。主人公の北村みつこは、変人だが子供に人気の塾講師。この人物の強烈な個性だけでお腹いっぱいになるのだが、一緒に住みはじめる太郎が輪をかけて変人で規格外の物語だった(笑)。

  • 犬婿入り
    人間が動物と結婚する異類婚姻譚の現代版。主人公のみつこの前に犬に憑依された太郎が突然出現し「電報届きましたか」と尋ね、みつこが首を横にふると勝手にまぐわい肛門を舐める。この場面は、犬に女の子の便を始末してくれたら嫁にやるという昔話由来の出来事の再現で電報はその約束のことだろうか。物語は何やら獣臭の漂う太郎の妻や小三の扶希子が登場しそれぞれの性癖や経緯が語られ、登場人物が皆去り暗転。前半の主人公の性癖や太郎の異様さに興味を惹かれ後半の更なる異様な展開に期待したが、呆気ない結末になる。
    ペルソナ
    「ティファニーで朝食を」でミッキー・ルーニー扮するメガネで出っ歯の短身な日系人のユニオシは、欧米人が描く日本人のステレオタイプのイメージで、WASP至上の欧米では日本人を含む東洋人は最下位人種に属する。学生時代に働いた北欧やスイスのホテルやレストランでは、格が下がるから客の前に出るなと言われ、果物屋では入るなと怒鳴られなど痛いほどこの差別を感じた。欧州ではガーナの位置ほども日本の位置を大抵の人は知らず、聞くと中国のどこかだろと答えた。日本人だってガーナをアフリカのどこかだろうと答えるのと同じ。そんな事を思い出させる物語だった。

  • 異類婚姻譚話。独特の文体なのに読み易い。最後は急に終わる感じがあったけど面白かった。ヘンテコなのに骨太。これ相当面白い。

  • 全く新しい読書体験でした!すごい!

  • よくわからないけど面白い。この著者の本って文章の繋がり方が絶妙で、ずーっとぼんやり眠い時に本を読んでる感覚。でもそれが癖になる。

  • 文体が珍しいというのはわかりましたが、どう評価したらいいのかわかりません。
    私の勉強不足でしょう。

  • 不気味。

  •  
    ── 多和田 葉子《犬婿入り 1992‥‥ 19981015 講談社文庫》[Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00HSGLH8S
     
     
    (20231128)

  • 『ペルソナ』は、弟の和男とドイツで一緒に暮らしている道子が主人公。研究を続ける和男と、駐在の子どもやドイツ人に日本語を教えるアルバイトをする道子。同じドイツに居る日本人で一緒に住んでる兄妹だけど、少しずつ見える世界がちがって、価値観も変わってくる感じ。
    『犬婿入り』は、昔話のようでもあり、不思議なというかもっと言えば変な話。

  • 越境の文学

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。小説家、詩人、戯曲家。1982年よりドイツ在住。日本語とドイツ語で作品を発表。91年『かかとを失くして』で「群像新人文学賞」、93年『犬婿入り』で「芥川賞」を受賞する。ドイツでゲーテ・メダルや、日本人初となるクライスト賞を受賞する。主な著書に、『容疑者の夜行列車』『雪の練習生』『献灯使』『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』等がある。

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