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感想・レビュー・書評
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人は嬉しいから笑う、恐いから逃げるのではなく、笑うから嬉しく幸せになり、逃げるから恐くなる。
先に行動があって、感情はあとからついてくるもの。これをアズイフの法則という。
元気になりたければ努力して幸せなことを考えるより今幸せであるかのように振る舞えばいい。
笑顔を作り足取りを軽くし、幸せな気分になれる言葉を口にし、踊り、歌い、笑う。
同じ理論で恋人同士のように振る舞えば、恋が芽生えやすい。
恋人役、夫婦役を演じた役者が結婚するのはそのため。
しかし、ある行動を促すために、報酬を与えるのは逆効果。
例えば、子供の読書、禁煙、禁酒、シートベルトの着用など、一度報酬を与えてしまうと、それを嫌なこととして認識してしまうため、報酬がなくなると途端にその行動をやめてしまう。更には以前より状態が悪化してしまうことさえある。
報酬システムは短期的には効果を上げるが、長期的に見た場合は逆効果になる。
共同体意識の強い群れは異物を排除しようとする。そして、別の群れと限られた物資を巡って争うようになったとき、通常では考えられないような残虐な攻撃行動に繋がる。戦時中の非人道的な虐殺、略奪はある意味、人間の本能的なもの。
行動が先にあって感情はあとからついてくるものと考えたとき、同じ作用が行動と性格の間にも言えることがわかった。つまり、性格が行動を決めるのではなく、行動が性格を決めるのである。また、服装も大いに性格に影響を与える。
黒い服を身につけると、威圧的で攻撃的な性格になり、くつろいだ服を着れば、穏やかで寛容な人に変わる。
人の性格は固定化されたものではなく、自分自身や第三者から与えられた役割に応じて変わる場合が多い。
また、若々しく振る舞えば、老化がゆっくりになる現象も実験によって明らかになった。特に読書を習慣にしていた人は、認知症の進行が35%も低下した。
サイクリングや水泳などの運動にはそんな影響は全く見られなかった。ただし、ダンスは例外で、ダンスをしている人たちは認知症の進行が76%も低下していた。
「人は老いたから遊びをやめるのではなく、遊ばなくなるから老いるのだ」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
行動の仕方が、感情や意志の力や、ものごとに対する見方を作りだす。感情に体が反応するのではなく、体の反応に対して感情が想起されるという学説と研究(アズイフの法則)を多くの事例で紹介している。
性格の由来は半分が遺伝から半分が環境からだといわれているが、その「環境部分」を説明し操作可能とする点で大変おもしろい。
アドラー心理学やカウンセリングによるオプティミズムの推奨と根はつながっているように思われる。
自身がない、引っ込み思案というのは本来の性格というよりは、なにかに躓いたり失敗した「結果を悪いように解釈」しているからである。
・意思を強く持つためには筋肉を緊張させる
・自信を高めるには:パワーのポーズを
・先のばしをやめるためには:最初の一歩を踏み出す
・創造力を高めるには:行動の枠をとり払う 新鮮な発想を望むときは、それまでとちがう行動を
・相手を説得するには:自分からうなずく
・取引を成功させるには:温かい飲み物と柔らかな椅子を用意する
・人は老いたから遊びをやめるのではなく、遊ばなくなるから老いる
・なにかの美点を身につけたいときは、すでにそなわっているかのように行動すればよい -
意識を変えるためには「そうであるかのように行動する」ことから始めろ、という本。感情が行動を生むのではなく、行動が感情を生むのだ。この原理を本書では「アズイフ (のように) の法則」と呼んでいる。
様々な研究や観察から、人は「行動ありき」であることが示されている。行動した後に脳が「なぜそれをしたのか」の説明を作るのだ。だから幸せになりたいのなら、まず幸せであるかのように振る舞うところから始める。笑顔を作り、快活に行動するのだ。そうすると本当に幸せを感じ始める。自由意志とは。
これを読むと、ラブコメの展開は脳科学的に正しいのではないかと思う。なぜヒロインたちは主人公に惹かれるのか。それは恋人であるかのようなイベント次々にこなすからである。元々なんとも思っていなくても、恋人同士がするような行動を取ることで、脳は行動から恋人関係だと推測する。だから主人公を好きになるのだ。本書ではこれを裏付ける実験も紹介されている。また一つ真実に気がついてしまった。 -
気持ちが伴わければ行動を先に行い、あたかも最初からそうしていたかのように振る舞う。そうすると気持ちがついてくる。
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「~のように行動する」がテーマ。
行動から、感情を生み出すノウハウ本。
指標として、面白い本である。