街場の読書論 [Kindle]

著者 :
  • 太田出版
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感想・レビュー・書評

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  • 著者がブログ日記等に書きためた、書物や書くこと、「言葉が伝わるというのは、どういうことか」をテーマとしたエッセーをまとめた書。2011年刊行。

    著者は、膨大なエッセーの中でお気に入りの本(やそうでもない本)を多数挙げながら縦横無尽に語っている。話題は日本語教育論や著作権論、表現とリテラシーにも及んでいる。著者の読書量の多さ、そして各書物が著者の血肉となっていることに改めて驚かされた。学者とはいえこの知識量、ちょっと自分には想像できないな。

    著者の他の書籍の元ネタあり(「福音主義と靖国の祭神」は「街場の米中論」の元ネタの一つだよな)。

    期待していた読書論じゃなかった。でも、著者の読書論(積ん読論?)は「街場のメディア論」にしっかり開陳されてたから、まいっか。

    絶賛されてた高橋源一郎の『「悪」と戦う』、読んでみたくなった。・リチャード・ホーフスタッター『アメリカの反知性主義』、フレドリック・ブラウン『天使と宇宙船』(のうちの「ウァヴェリ地球を征服す」)、・アレクシ・ド・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』なども。

  • 大学教授であり、文筆家であり、心底「書くこと」「読むこと」が好きな著者。内田氏が読んだ本と、そこから得たものを、短編集のようにまとめた1冊。

    人の読書論とはどんなものなんだろう…という軽い気持ちで手に取ったのだけれど、予想外に難解な読書論だったので戸惑った。著者が当然のものとして提示している、レヴィストロースやらマルクスやらは読んだことがなかったので、余計に。ただ、読み進めるうちにどんどん面白くなっていった。おそらくそれはテーマが「本」から、「読むこと」「書くこと」という概念に移っていったからだ。「著作権は放棄する」「『何を伝えるか』より大切なことがある」といった、一見するとびっくりするような主張もあるのだが、読み進めるうちに納得させられる。本当に、心底書くことと考えることが好きな方なのだな。別の本も読みたくなった。

  • 「何度も書いたことを繰り返すが、私たちは「無料で本を読む」ということから読書人生をスタートさせる。」

    読んでいて様々なテーマに関する著者の意見が述べられている。
    面白かった。
    エッセイのような作り。

    著作権に関して。自分の意見を知ってもらうために書いてるのだから、それを防ぐような著作権はよろしくないと言う。お金をもらうためではなく、知ってもらうために書いてるのだ。

  • 最近、ブログコンピ本ばかり読んでいたので、そろそろ企画物を読もうかな。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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