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感想・レビュー・書評
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自然との関わり、よく観察すること、そんなことが大事なのかもしれないな…と思った。
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これは10年くらい前に職場の同僚が読んでいて気になっていたのを、ふと思い出して書店で手に取り、長らく積読をしていたもの。
「病は気から」、「病で気が滅入る」はおそらく両方正しく、相補的であり再帰的。尿意や空腹感、月経など生物の代謝運動における生理反応の快/不快が、こころの気分に及ぼす影響はとても大きい一方、逆にこころの乱れによって自律神経の働きが乱れて体調を崩すこともしばしばある。
どちらが優位ということはおそらくなく、ひとつひとつの働きを取りだして検証し、これを組み合わせれば全体性を説明できるといういわゆる近代科学の還元主義では、どうしても生きものの機能のネットワーキングや全体性をとらえることはできない。
人間とはなにかといわれると、進化論的にいえば原始的な単細胞生物から、魚類、哺乳類を経て進化した、分類学上の霊長目ヒト科にレンジにおさまるもの?あるいは量子力学的にいえば、代謝を繰り返しながらも自己同一性(あるいは動的平衡)を保っている素粒子の集合体?
どれも正しそうで、正しくなさそう。本当のところはことばで表現しきれるものではなく、私たちみんながもっている内臓感覚、書中にも紹介されている野口三千二氏のいう「はらわたでつかむ」という、言語を超えた人間の感受性でもって理解することなのかもしれない。
いわゆる論理的な構造を持った本ではないが、まさに「腹に落ちる」言いまわしがたくさんおさめられた楽しい本でした。 -
解剖学者・三木成夫の「内臓とこころ」に読む、思考偏重な時代を乗り越えるための道標(前編)〜内臓感覚とリズム、季節を感じる心、そして自然(じねん)〜
https://beyondthenexus.com/naizotokokoro/