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感想・レビュー・書評
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IMFの背後には当時影響力の強かったアメリカ政府がいて、そちらが韓国の構造改革を求めた面があったのではないかとの推測があった。
では米政府が求めた構造改革って、なんだろう。
2000年前後、小泉首相がでてきたあたりに日本でも言われてたよなぁ、構造改革。
ちょっと論理の飛躍になるかもしれないけど、求められたのは、その国特有のあいまいさなんじゃないか、とか思ったんだよね。
あいまいさっていうのは、限られたサークルの中だけで通じる呼吸のようなものと言い換えられると思うんだけどね。
米政府、というか、いわゆるグローバリストといわれる国を越えて、限定されたサークルを飛び越えて活動する人たちが嫌うのは、そうした自分たちには理解できない呼吸なんじゃないかなぁ。
そこを崩したくて、外国のマジョリティのもつサークルを壊し、話の通じやすいところにリソースを集中させようとした。
論理や数字が分かれば、誰でも通じ合える。
そういう世界を求める側と、自分たちが生きてきたサークルを守ろうとした側の戦いが当時の東アジアで起こった軋轢だったんじゃないだろうか。
本書の終わりの方で、不胎化という言葉がでてきた。
少し前に読んだ、野口悠紀雄氏の「日銀の責任」では、今、政府がどれだけドルを買おうとも、日銀が不胎化をしてしまうから意味はない、とか。
本書では、不胎化が行われなければ大丈夫的なまとめ方をしていたように思うんだけど、本書が書かれた15年後の今、まさにその不胎化を日銀が行っているという話になる。
ではその不胎化とはなにか。俺には説明できない。
そのあたり、もう少し説明できるくらい勉強しておくべきなんだろうな、なんてことを思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示