JA NO.93 篠原一男

制作 : 株式会社 新建築社 
  • 新建築社
3.67
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・雑誌 (144ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 篠原一男の建築は、なんにせよまず、建築的な何かに目を引き寄せる誘引力がある。柱にせよ、床にせよ、壁にせよ、それが実に純然たる建築要素として扱われている故に、思わず僕はそちらを見てしまう。武骨で突き放したように見えるが、かといってカワイクないのかと言われれば、そうでもない。むしろ彼の建築は閉じているのに実にのびのびとしていて、窮屈さを感じない。そして、微笑みたくなるような粋なしつらえを感じさせる。篠原流の心地よさ、強い人の繊細さに触れたような不思議な温かさ。武骨な大男なのに実は繊細とくればなんとなくカワイクも思えてしまう(実際に篠原が武骨な大男であったのかは知らないが、これはあくまでも彼の建築への比喩的な例え)。不思議だ。実に不思議だ。
    僕はふと、篠原の言説の中にルイス・カーンと同質のものを見出すことがあるような気がする。東洋と西洋という地の境を越えて、彼らにはふと似通った何かを感じる。たとえばそれは、彼らの強く預言めいたアフォリズムゆえだろうか。さあさあ…どうなのだろうか。

全1件中 1 - 1件を表示

株式会社新建築社の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×