清佑、ただいま在庄 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「室町もののけ草紙」の次に読んだ作品。

    蔵書スペースの関係で、文庫版をなんとかと探しているのですがなかなかむずかしいですね。探しますけど。

    こちらは室町時代前期、ちょくちょくあった土地や税金に関する訴えがベースになっているそうで。書状も結構残っていて、博物館などで実物を見ることがよくあります。法的拘束力よりも現地の人々の力関係の方が多分に大きかったんだろうなあ…と思わされます。清佑さん大変です。
    1冊の間に結論が出て、少しは未来が見えるのかなー??という期待は裏切られます。さらに解説で木っ端微塵にされます。多少気持ちを前向きに読み終わりたかったんですが?と言いたくなりましたが、これぞ現実。彼らの身に起こであろうあれこれは、きっとそう都合良くはいかない。そういうところを含めて、ひとつのつながったお話なのでしょうね。

    人の世など、そんなもの。

  • 室町時代のある大寺の荘園に代官として赴いた清佑という僧とそこに住む百姓たちの物語。一見おとなしそうに見えて強かな百姓達に戸惑いながらも懸命に代官の職務を遂行する清佑の姿に清々しい思いをしたり、厳しい生活を強いられる百姓達の姿に同情したり、にもかかわらず強かな百姓達の行動にクスッとしたり、大変おもしろく一気に読めた。岩井氏の短編集はやはりおもしろい。また、最後の物語では、荘園を我が物にしようとする地頭との争いが描かれているが、続きが非常に気になる。続編を期待したい。

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著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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