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感想・レビュー・書評
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「室町もののけ草紙」の次に読んだ作品。
蔵書スペースの関係で、文庫版をなんとかと探しているのですがなかなかむずかしいですね。探しますけど。
こちらは室町時代前期、ちょくちょくあった土地や税金に関する訴えがベースになっているそうで。書状も結構残っていて、博物館などで実物を見ることがよくあります。法的拘束力よりも現地の人々の力関係の方が多分に大きかったんだろうなあ…と思わされます。清佑さん大変です。
1冊の間に結論が出て、少しは未来が見えるのかなー??という期待は裏切られます。さらに解説で木っ端微塵にされます。多少気持ちを前向きに読み終わりたかったんですが?と言いたくなりましたが、これぞ現実。彼らの身に起こであろうあれこれは、きっとそう都合良くはいかない。そういうところを含めて、ひとつのつながったお話なのでしょうね。
人の世など、そんなもの。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
室町時代のある大寺の荘園に代官として赴いた清佑という僧とそこに住む百姓たちの物語。一見おとなしそうに見えて強かな百姓達に戸惑いながらも懸命に代官の職務を遂行する清佑の姿に清々しい思いをしたり、厳しい生活を強いられる百姓達の姿に同情したり、にもかかわらず強かな百姓達の行動にクスッとしたり、大変おもしろく一気に読めた。岩井氏の短編集はやはりおもしろい。また、最後の物語では、荘園を我が物にしようとする地頭との争いが描かれているが、続きが非常に気になる。続編を期待したい。
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