トヨタの元工場責任者が教える 入門 トヨタ生産方式 (中経出版) [Kindle]
- KADOKAWA (2014年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (208ページ)
感想・レビュー・書評
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とても分かりやすくトヨタ生産方式が学べる1冊です。海外赴任先でのトヨタ式導入の話もあり興味深かった。
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TPSの基礎を学ぶために本書を購入。最初Amazonで電子書籍を購入したが、読みやすくて良い本だと直感したのでその後マケプレで中古本も購入。(新品は取り扱いがなかった、初版発行は2005年)
新卒でトヨタ自工に入って、定年で退職するまでトヨタでキャリアを積み、台湾工場の副社長歴任の経歴もある著者。トヨタの中からの視点なので、実例とか当時の現場の温度感が読み物として面白い箇所がある。大野氏と鈴村氏が工場視察にやってくる時の現場の対応など、ただの昔の笑い話ではなく、今も似たような部分が若干あるが・・。付録として巻末に掲載されたTPS概略図が、特に参考になった。TPSを勉強するとジャストインタイムと自働化という二本柱の概念の下にある個別のメソッドの区分がわからなくなり混乱することがままあるが、そういった時にこの概略図を思い返して立ち位置とか意義を再確認するのに使えそうだ。ただ、著者も本文で述べている通り、TPSははじめから体系的に整備されたものではなく、原価低減のための生産現場の取り組みや知恵を、後からまとめると本書概略図のようにまとめられる、というだけで順番が異なることだけは留意する必要がある。
台湾赴任時のエピソードも非常に面白かった。ビンローや挨拶の件など、TPSの実践的な内容にはあまり深く入っていないので物足りない人も読者にはいるかもしれないが、そもそもの基本ができなければその先の個別のテクニックなんて根付くはずがなく、今自分には海外赴任の予定はないが、来るべき時に備えて良い思考の事前練習ができた。