今日も飲み続けた私 プチ・アルコール依存症からの生還 (講談社+α新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 年初から断酒しているので、意識してアルコール依存症関連の本をときどき読むようにしている。
    断酒モチベーション継続のためというか、〝自分自身を納得させるための理論武装〟のようなものだ。

    これは2008年に出た本で、図書館で借りてきた。
    著者の衿野未矢氏は著作も多く、同世代ライターの中では売れっ子というイメージがあった。
    本書を読むにあたって、「そういえば、最近名前を見ないな」と思い、検索して、2016年に亡くなられたことを知って驚いた。

    本書で明かされているように、ややアルコール依存症の気があったようだが、死因は飲酒習慣とは関係ない病気(膠原病の一種「全身性強皮症」)のようだ。

    本書は、自身の経験を随所にまじえながらも、アルコール依存症患者や治療者など、関係者多数に取材した〝ルポ+エッセイ〟のような内容。

    女性のアルコール依存のみに話を絞っているわけではないが、女性のケースが多く取り上げられているのが特徴だ。

    「プチ・アルコール依存症からの生還」という副題が示すように、命の危険に直結する本格的なアルコール依存症ではなく、〝そこまではいかないけど、酒がやめられない〟ケースにウェートが置かれている。
    ゆえに、断酒ではなく適度な飲酒のコツを追求する側面が強い内容だ。
    それは類書からの差別化には役立っているが、本として中途半端な印象は否めない。

    ただ、次のような記述はちょっと新鮮だった。

    《生理学的にも心理学的にも、女性のほうがアルコール依存症になりやすいのは実証されている。大量飲酒を始めてから女性は男性の三分の一から半分の期間で、アルコール依存症におちいると言われている》6~7ページ

    《実は男性は、アルコールならアルコール、薬物なら薬物へと一直線に突き進むが、女性は複数の対象に依存することが多いというのは、古くから指摘されてきたことである。(中略)複数の対象へと依存している状態を「クロス・アディクション」と呼ぶ》109ページ

  • 現在断酒中(期間限定)の私が図書館で出会った本です。

    女性の飲酒問題について、依存症について書かれていた本です。
    私も、作者と同じようにお酒を飲んで知らない間に行動していたりブラックアウトをしたりという経験が何度もあります。20代も30台も、そしてこれからの40だいもあるでしょう。そんな作者が15日断酒し、様々な主に女性の飲酒問題について交えながら語り、依存症専門クリニックに行くところも書かれている本です。

    女性の場合特徴的なのが、キッチンドランカーだったり、一人暮らしのリビングドランカーだったり、複数の依存症の絡み合うクロス・アディクションと書かれています。本当にその通りだと思うのです。結婚したことがないのでキッチンドランカーは経験がありませんが、リビングドランカー、クロス・アディクション経験あります。読んでいてドキドキしてしまいました。

    何より、作者が「断酒」を医師から言い渡されるところではまじでか!?作者と同等(下手したらそれ以上)の酒飲みである私も専門病院に行ったら断酒言い渡されるのか!!とショックでした。本当にショックでした!!(大事な事なので二度言った)断酒するつもりは…まだありません。酒と縁を切る覚悟がまだできません。

    せめて、私も自分の適正量、落としどころが知りたい!!と切に願いました。今度酒飲んでいる自分を冷静に観察してみたいと思います。

    現在血液検査に向けて禁酒中ですが、悲しくもお酒が飲みたくなってしまいました。

    業が深い…。

  • アルコール依存症と言えないまでもブラックアウトを繰り返したり、毎日飲み続けて問題ある飲酒行動をとってしまう人たち。

    まったく飲まない人たちからしたらたった3日飲まないということがどれだけ辛いことかわかっていない。主に女性の話が中心だが、同じような経験がある身からすると変に頷いてしまう。

    私は問題飲酒行動を繰り返し、人間関係を壊し、最終的に身体も壊してしまった。それでも断酒を言い渡されて、この世の終わりだと思ったし、現在はかろうじて節酒できていると思うが、いつ以前のようにガバガバと飲んで他人に迷惑をかけてしまうのかと思う時はある。

    人生の生きにくさを解消するために飲んでいたのだ。松葉杖を取り上げても問題は解決しない。根本の治療が必要である。

    甘いと言われようが、適正飲酒を探る道は開いていてほしい。断酒するしかないというのは結局精神論になってしまう。

    適正飲酒で残りの人生を生きていきたい。

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