百年の誤読 (ちくま文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 百年の間に出たベストセラー書籍を、対談形式で評価。

    初めて名前を聞く本や、読んだことがある本なども掲載されていて面白かった。古い本で、いくつか興味持ったものもあったので今度借りてみたいと思った。


    ハリポタに苦手意識あったのだけど、評価内容読んで腑に落ちたわ(笑)

  • マンネリ解消というわけで記憶をたどるにあたって
    参考になるかと、積んであったこの本を読んでみた。

    「百年百冊、ズバッと串刺し!
    あの「ダ・ヴィンチ」の大人気連載を大幅加筆、遂に単行本化。
    二十世紀の百年間に日本文学史上で話題となったベストセラーを
    希代の本読みふたりが大解剖。
    文学的評価や世間の評判なんて歯牙にもかけず、
    ダメなものはダメと断ずる痛快至極な文芸対談。」(表紙帯より)

    苦し紛れに読み始めたのだけど、これがおもしろいのなんの♪

    徳富蘆花の『不如帰』から『ハリー・ポッターと賢者の石』まで100冊、
    豊崎由美さんや岡野宏文さんの抱腹絶倒の語り口は、
    もう有名だからいまさら言うことないのだけど。

    題名はガルシア・マルケスの『百年の孤独』のもじりとか。
    この本もとてもおもしろいらしい、いつか読みたいな。

    1900年から2000年までの100年間のベストセラー。
    この気の遠くなる時間、私は半分とちょいを同時代として生きてきたし、
    この本で選ばれたベストセラー本の半分近く(43/100冊)は読んでいる。

    私が読んだ本と読まない本とのどちらがおもしろいと感じたか?
    両方とも興味深く、いやぁ、楽しく勉強になること請け合い。
    読み逃していた名作など、メモることも多かった。

    よい本はよい笑を誘い、よくない本もブラックな笑いをかもした。

    笑ってばかりでなく、しみじみ思ったことは、

    良書は「どれだけ売れたか」ではなく、
    永の年月、風雪に耐えて残っているもの、
    100年も経たってみないとわからないんだなーということ。

    だからこの本も1980~2000年の部分はちょっと精彩を欠いていた。
    近々の作品群だからしかたがないということだろう。
    それとも良書が減ったのか。

    とにかくおもしろいこと、
    次々と読みたくなること、
    繰り返し読んでも発見があること
    名作はそうでなければならない!
    それが古典となっていく。

    ところで、あれ、れと思ったのは、
    「風とともに去りぬ」「挽歌」「マディソン郡の橋」
    などちょっとお二人さん、けなし過ぎで私としては残念であった。

  • 切れ味鋭い読書談だが、評価しにくいのは私が日本文学を読んでいないから。しかし、10冊にも満たないかと思って数えたら20冊くらいは読んでいた。案外多い(笑)海外文学編のほうは掲載書籍の6割くらいは読んでいたからね。
    こき下ろされている「氷点」「風と共に去りぬ」(外国文学だけど)学生のとき読んで大感動したのだったが、批判はごもっともとも思う。今になって冷静に読むと平坦な本かも。記憶に新しいハリー・ポッター(これもガイブン)はさして面白くなかったので彼らに賛成。でも、辛口の二人でも村上春樹は認めるし宮沢賢治はけなしようがないのだね(笑)
    それにしても、ベストセラーが夏目漱石、志賀直哉、谷崎潤一郎から、「セカチュー」「失楽園」「遺書」になっていくのだから大丈夫か日本の読書(笑)まあ大丈夫じゃないだろうね。本書でも「1960年のフォッサマグナ」を境に読書傾向が『だらしな派』へと切り替わった、と説明されている。
    そういえば、だらしな本の極北に携帯小説というものがあったが、あれはどうなったんだろう。スマホ化と共に廃れたのだろうか。

  • 文字通り百年の中で生まれたベストセラーをガシガシ斬っていく書評本。対談形式なので横で見ているような臨場感がある。楽しい。名作と言われるものも笑い飛ばしてもいいし、批評してもいい。肩ひじ張らなくてもいいのか、と気持ちが軽くなった。良書であるほど語るべきことが湧いてきて書評が成立する。その切り口は鋭い。

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