- Amazon.co.jp ・音楽
- / ISBN・EAN: 4988044011731
感想・レビュー・書評
-
最近気に入ってます、「fox capture plan(フォックス・キャプチャー・プラン)」。
「キツネ捕獲計画」という奇妙な名前をもつ、ピアノ/ウッドベース/ドラムスのトリオだ。
ビル・エヴァンスの曲でも演りそうな編成だが、実際に演っているのはジャズ・ロック。それも、リターン・トゥ・フォーエヴァーとかの古いタイプのジャズ・ロックではない。ポストロックやクラブサウンドの色合いを取り入れた、21世紀型ジャズ・ロックである。
アコースティックな楽器編成にもかかわらず(ただし、ピアノは電子ピアノを生ピアノ・モードで弾いている)、サウンドにはオーガニック/アコースティックな印象がまったくない。よい意味で人工的で、クールな音。
美メロの曲が多いのだが、複雑な曲構成と手数・音数の多いテクニカルな演奏のため、たんなるBGMにはなっていない。
いや、BGMとして流しても心地よいのだが、つい聞き耳を立ててじっくりリスニングしてしまうのだ。
私はYouTubeで彼らの「疾走する閃光」という曲を偶然に聴き、久々に鳥肌が立つような感動を味わった。
まさに「疾走する閃光」というタイトルにふさわしい、疾走感と浮遊感を併せ持ったカッコイイ曲。
で、この曲が入ったアルバム『WALL』を皮切りに、『BRIDGE』『trinity』『UNDERGROUND』『COVERMIND』といったアルバムに次々と手を伸ばしてみたしだい。
ただ、5枚つづけてアルバムを聴いたので、さすがにちょっと飽きてきた。
どのアルバムも洗練されていて、テクニカルでカッコイイ。カッコイイのだけれど、あまりに一本調子で、曲の区別、アルバムの区別がつきにくいようなところがある。
たとえば、「疾走する閃光」と「衝動の粒子」、「RISING」をつづけざまに聴くと、どれがどの曲かわからなくなってくる。
今後、fox capture planがより幅広いリスナーに受け入れられるためには、そのへん、一考を要するのではないか。老婆心ながら……。詳細をみるコメント0件をすべて表示