フリークス (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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  • 連作中編集。(3篇)

    精神病の患者を主人公に据えたミステリー。
    それぞれ別の物語だが、舞台は同じ病院である。
    それぞれ最後にどんでん返しがあるが、このどんでん返しは精神病の患者だからこそ出来うるこどであると思う。

    読んでいる最中は、普通の人であると思い読みすすめるのだが、最後に主人公の素性が明かされる感じで物語が着地する。

  • 1話と2話は面白かったが、3話は少し分かりにくく、冗長かな、と。探偵やら友人やら、長い。だが、この作家はこういう幻想感のあふれる物語作りがとにかく緻密で面白い。

  • 舞台は精神科の入院病棟、表題はフリークスの連作。一見デリケートな問題に無神経なタイトル、悪いイメージを持つ方は多いかと思います。
    ですが連作の共通したモチーフから表題は古典映画トッド・ブラウニングのフリークス へのオマージュである事が読み取れます。この映画は決して差別的な視線で作られてはおらず、作中でフリークスと罵倒されるのは健全な体でも歪んだ性根を持つ者たちです。他にも夢野久作や江戸川乱歩へのオマージュが各所に見られ、丁寧な作り込みは決してデリケートなモチーフを見せ物的に扱ったものではありません。
    自ら作り出した檻で、犯した罪より決して逃れる事の出来なくなった者達の作品群。舞台や表題から敬遠してた方オススメです。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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