天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1 [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 第1巻メニーメニーシープのB面。
    イサリサイドから見た第1巻の顛末。

    当初1巻のイサリがあの「イサリ・ヤヒロ」とは思わなかった。
    その理由の1つは300年の時間のずれがあったからだ。
    だがコールドスリープ装置があったとすれば説明はつく。
    ジニ号のものは<酸素いらず(アンチオックス)>の秘密だろうが、ミスチフ/オムニフロラとカルミアンがついていれば手に入れることもできたのだろう。
    カルミアンなら頼めば作ってくれたかもしれない。
    冥王斑の根治薬さえ作れたのだから。
    また、イサリ本人だとしたら獰猛すぎるも思っていたが<咀嚼者(フェロシアン>化しつつあるから、と説明される。
    ぐぬぬ。

    じゃあ、もう少しイサリはうまくやれなかったのか、とも思うけど、まぁ難しかったろうな。
    コミュニケーションはもっとうまく取れただろうけど、そこがメニーメニーシープではなくセレスの地下世界だ、などと言ったところで信じてはもらえなかっただろうから。

    この巻では1巻の話の他、メニーメニーシープ創設時の話も補足されている。
    前巻の「新世界ハーブC」だけでは物足りなかったので個人的にはとても嬉しい。
    ラゴスとノルルスカインの会話なんてわくわくだ。
    だが、なぜすべての人がそこをメニーメニーシープだと信じてしまったのか、という謎への答えが少し残念。
    政府が歴史を徹底的に改ざんし、改ざんした記録さえ封印したから、というのが理由だけど、<海の一統(アンチョークス)>やカドム家では真実を伝えそうだと思うんだよなぁ。
    まぁでも300年という時間はそれだけ重いということかな。

    そして、最後には衝撃の事実が。
    確かに3巻から微妙に含むところがありそうなカヨちゃん
    だったが、まさかまさかの衝撃の一言。
    「イエ・ザー。メイ・バイ・MHD、アンド、センド・バイ・MISCHIEF、探測員(ワッヂ)のカヨです」

  • 読了。前回に引き続き、種明かしと広げた風呂敷の回収と。そして今回は失われた過去の文明に触れるというSFでは定番のモチーフもあり、いいぞもっとやれの回だった。いよいよ一通りのことがつながったので、これからどう展開していくのかが楽しみである。

  • 1巻で起きていたことの裏側が語られる。
    最初1巻を読んだ時の、この物語は一体なんなんだ?という疑問に8巻まで来て全貌が見えてきた。

  • 2014/10/07

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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