シュメル―人類最古の文明 (中公新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • シュメルの本は何冊か読んだが、読むたびに知らないことに出会う。本書でもいくつかあったが、たとえばカストラート。紀元前2000年紀にすでに存在しており、彫刻に残されているというのは驚きだ。4000年くらい引き継がれてきたことになる。
    カストラートという悪魔の発明はどのようにしてなされたのだろうかと、その名も『カストラート』という映画でその存在を知ったときに思ったものだ。古代メソポタミアにおいて、戦争捕虜の中に妊婦がおり、男子が誕生した場合、去勢することもあったという。そのあたりが発祥になるのかもしれない。

    たとえば、アッカドの王サルゴン。サルゴンとはヘブライ語であり、アッカド語では「真の王」を意味するシャル・キンというらしい。富野由悠季の命名には中東由来のものが少なくないが、プリンス・シャーキンもひょっとしたら?

  •  エジプトやギリシャの数学を勉強していて、古代文明に寄り道してみた・シュメルでは60進法が使用されていたいうのが寄り道のきっかけだ。
     古代の都市文明の発祥の地であるティグリス・ユーフラテス川地域は肥沃な土地で農作物が豊かなことが文明が発展したことの要因であつとのこと。大麦の産地だったが、大麦の収穫の減少がシュメール文明の滅亡につながったという。
     エジプトでは文字を葦に記録したが、シュメール文明では粘土板に楔形文字で記録した。幸い粘土板は時代を経ても比較的保存がよく、当時の記録や神話が残されている。なんと紀元前3000年から2000年頃のことだ。

  • 曜日、ハンコ、ビール、その他いろいろと今の日本でも使われているものが4000~5000年前に誕生しているのがすごい。今度「ビールを飲めないと社会人とは呼べない」と言われた時は「4000年前の基準で語らないでください」と言い返してみるか。

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著者プロフィール

小林登志子
1949年、千葉県生まれ。中央大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了。古代オリエント博物館非常勤研究員、立正大学文学部講師等をへて、現在、中近東文化センター評議員。日本オリエント学会奨励賞受賞。専攻・シュメル学。
主著『シュメル―人類最古の文明』(中公新書、2005)、『シュメル神話の世界』(共著、中公新書、2008)、『文明の誕生』(中公新書、2015)、『人物世界史4 東洋編』(共著、山川出版社、1995)、『古代メソポタミアの神々』(共著、集英社、2000)、『5000年前の日常―シュメル人たちの物語』(新潮選書、2007)、『楔形文字がむすぶ古代オリエント都市の旅』(日本放送出版協会、2009)ほか

「2022年 『古代オリエント全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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