無印良品の、人の育て方 “いいサラリーマン”は、会社を滅ぼす (角川書店単行本) [Kindle]
- KADOKAWA (2014年7月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (206ページ)
感想・レビュー・書評
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人材を育てるのではなく、人間を育てる。
その理念が経営トップから管理職・リーダー、そしてアルバイトスタッフにまで浸透していることをうかがい知れた。
人が育ち続ける企業は、時代が変化しても力強く生き残る。
人間育成も属人的な育成ではなく、MUJIGRAMに代表されるマニュアル・仕組みによって体系化されている。
このことで数名のスーパースターを生み出すのではなく、多くの優秀な社員を生み出すことが可能になっている。
リーダーの重要な役割はスタッフの育成である。
でもどうやって人を育てていいかわからないリーダーが多い。
無印良品にはその「どうやって」が存在している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・社員は資源ではなく資本。事業をするのに必要な源泉。大事に育て守っていくしかない。人間育成をするためにひつようなのが「修羅場体験」。逆境こそもっとも人を成長させる。無印良品では、あえて社員に高めのハードルをつくる、その代表例が「異動」。無印良品は、一般的な企業の異動とは大きく異なる。一言でいうなら、大胆かつ、積極的な異動。ベテラン社員をまったく経験のない部署に放り込むのは当たり前。新しい仕事に一からチャレンジするので、ベテラン社員でも新人のように汗をかきつつ習得していかなければならない。こういう経験が人を成長させ続けるのだと考えている。
・「人が成長する会社」を「いい会社」という。人が辞めない会社とは、「働きがいのある会社」とも言い換えられる。働きがいはお金だけで生まれるものではない。
・無印良品では異動で人材育成の8割が決まる。適材適所を実現させれば社員は大きく成長できる。
・絶え間ない異動が人を育てる理由は「①確実なキャリアアップ」「②チャレンジ精神の維持」「③多様なネットワークの広がり」「④他人の立場への理解が深まる」「⑤視野を広げられる」。何事も自分に関係ないと排除するのではなく、何でも「自分事」で考えてみる。
・2:6:2の法則は有名だが、部署やチームレベルでも必ず「2」に属する人はいるが「仕事ができない」と切り捨てたところで問題は何も解決しない。
・「内向きの論理」は「衰退の論理」。社員・部下を井の中の蛙にしないため、外の世界を知らせる必要がある。
・リーダーに必要な基本的な要素は、「メンバーを束ねられる」「物事の本質が見えている」「障害を乗り越えられる」「仕事を納期までに着地、完成させられる」に絞られる。
・「朝令暮改」ができるかどうかは、リーダーの資質を決めるひとつの条件。答礼暮改するとき「方法を変えても方針は変えない」を守ること。
・優秀なリーダーほど、自分の弱みを相手に見せる。自分の弱みをよくわかっている人は、人を認める余裕がある。「自分は完璧だ」と思い込んでいる人は、視野が狭くて人を受け入れられない。そして人を受け入れられない人は人に受け入れてもらえるはずがない。そういう人はリーダーに向いていないのは言うまでもない。 -
改めてマニュアルの大事さをが分かりました。事細かにマニュアルを作ることで、社員の共通認識を作ることができます。一人の人に依存して仕事をするのではなく、会社全体で誰でも仕事ができる仕組みを作り上げていくことが重要だと思い知らされます。
多くの日本の企業が、皆同じ方向に向かって働くことができていないように思います。実権を持った管理職の方がこの本を読み、日本の会社を変えていってほしいと思います。