世界の歴史〈12〉ルネサンス (河出文庫) [Kindle]

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  • ルネサンスは、アジアとの東方貿易によって生み出された富を元手にイタリアで始まった文化の復興運動である。

    人文主義=ヒューマニズムとは、端的に言えば古典文化の復興に向かう精神である。

    ルネサンスとは商人的合理主義的な精神によって育まれたものである。

    ルネサンスはより豊かな生活を享受しようとする欲求を人々よ間に芽生えさせ、ルネサンス期の人々の間に生まれたエネルギーはヨーロッパ外への進出の原動力となった。

    大航海時代はヨーロッパの経済を豊かにし、アジアに対する劣等感を捨てさせる結果家となった。

    ルネサンスにより生まれた合理的精神は、堕落したカトリック教会に対する批判を生み、宗教改革が始まった。

    中世ヨーロッパにおいては激しい宗教対立や宗教戦争がたびたび起こった。
    政治の世界において宗教の比重が高かったのが中世ヨーロッパであるが、ルネサンス的合理的精神は宗教の影響力を弱体化させ、政治が宗教以外の原理に基づいて運営されるようになる。

    ユグノー戦争やオランダ独立戦争、三十年戦争などを経て宗教戦争は終焉し、ヨーロッパに近代的な絶対主義的国家が作られるようになる。

  • ルネサンスと宗教改革・大航海時代(本書では地理上の発見)を扱う。前者と後者で著者が違う。ルネサンスの方は独断と偏見で語るルネサンス史といった感じで筆が随分と軽快な印象。宗教改革・大航海時代は堅実でわかりやすい記述。こちらの方が個人的には好印象。

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著者プロフィール

会田雄次

一九一六年京都府に生まれる。四〇年京都帝国大学史学科卒業。四三年に応召、ビルマ戦線に送られ、戦後二年間、英軍捕虜としてラングーンに抑留された。帰国後、神戸大学、京都大学(人文科学研究所)をへて、京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス史。著書は『アーロン収容所』『ルネサンスの美術と社会』『ミケランジェロ』など多数。九七年逝去。

「2019年 『日本史の黒幕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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