漫画の神様と呼ばれていたのですね、手塚治虫。
そんな事も知らずに、手塚作品を読み漁っていましたが、
興味のなかった現場の様子を載せたこの本も、とうとう読んでしまいました。
同時期に6本もの連載を抱えるって事は、
漫画家にとっては、どんな感じなんでしょう?
売れっ子漫画家、、、と言っても限界のあるのが人間だと思いますが、
遠くアメリカに居て、資料一つも机上に置かずして、
東京の仕事場のスタッフに
「本棚下段の右から23冊目の何ページの背景に、
ブラックジャックを立たせ、次のシーンは、、、」
とか
「はい、次は奇子の このシーンを抜き取って、、、」
とか、そうやって締め切りギリギリの作品も完成させたらしく、
その頭の中には、仕事場のどの本棚に何が置いてあり、、
どの作品の中に何が描かれてあって、、、とか全部記憶していた恐るべき頭脳を持っていた。
その場面を描かれてある漫画(吉本浩二さんが画担当)
本当に天才としか言いようの無い場面でした。
前にドコかで手塚の死に際について見たけれど、
「頼むから仕事させてくれ、、、」が最期の言葉だったとか。
死ぬまで仕事、、、って、
何かに憑りつかれているみたいだと思った。
漫画の神様は全能の神様に
「お前は漫画を描くのが生きる術」って言われているような。
漫画が描けなくなった時が死ぬ時、、みたいなね。
本当の仕事人間って、手塚治虫みたいな人の事を言うんだと思う。
そして、この人は人に「何か」を伝える為に漫画を描いていたんだろう。
それは「生きる」って事だと思うんだけど。