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- Amazon.co.jp ・ゲーム
- / ISBN・EAN: 4940261511548
感想・レビュー・書評
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世界核戦争後のモスクワを舞台にした近未来ホラーFPS。
荒廃し、汚染され、異形のモンスターが跋扈する地表を逃れ、地下鉄の駅にコミュニティを築いた人間たちのすぐそこまで、彼らは迫っていた。
文明が衰退した世界観とそれを余すところなく表現する美麗グラフィックが魅力。
弾薬を通貨として使用していたり、地表や汚染区域で活動する際は、使用に限りのある除染フィルター付きマスクを使用する必要があるなど、独特のシステムもユニークで適度な緊張感があって良い。
廃墟と化したアパートの一室、公園でふとした瞬間にフラッシュバックする、核兵器が炸裂する前の幸せな光景、声、そして地下にうごめく犠牲者たちの影、叫び。なかなか凝った演出がゲーム全編にわたって寂しく虚しい感情を喚起する。
プーチンの核使用の敷居を下げるかのような発言とかを聞いて、ロシアって核兵器についてやっぱり日本人ほど深刻な認識ではないのかと思ってたけど、ロシア(正確には制作会社はウクライナ)発のこのゲームのストーリーが訴えるメッセージを見るかぎり、最低限の認識は共通しているようで安心した。反戦・反核のスタンスは好感が持てる。
原作はロシア発の大ヒット小説「METRO2033」。核戦争後、わずかに生き残った人類たちも、共産主義やファシズムといった勢力に分かれ、争いを止められない愚かさ。戦争が、核兵器が、何もかも奪い去ってしまうという悲しさ。すべてを終わらせるための赦し。小説が原作だけあって、ストーリーも深みがあって味わい深く、プレイ後に心に残るものがある良作。詳細をみるコメント0件をすべて表示