裏切りのサーカス スペシャル・プライス [DVD]

監督 : トーマス・アルフレッドソン 
出演 : ゲイリー・オールドマン  コリン・ファース  トム・ハーディ  ジョン・ハート  トビ―・ジョーンズ 
  • Happinet(SB)(D)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953061323

感想・レビュー・書評

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  • 2011年、イギリス・フランス・ドイツ合作映画。原題は『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』で、各スパイのコードネーム?です。
    監督はトーマス・アルフレッドソン。主演はゲイリー・オールドマンで、共演にはコリン・ファース、トム・ハーディ、ベネディクト・カンバーバッチと何気に豪華です。その他にジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、キーラン・ハインズ、デヴィッド・デンシック、マーク・ストロング、サイモン・マクバーニーなど。数少ない女優であったスヴェトラーナ・コドチェンコワは美人でした~♪

    冷戦時代のイギリス。ブリティッシュ・サーカス(イギリス秘密情報部)内にはソ連のスパイ(通称もぐら)が入り込んでいるとの情報があった。その情報の中身を確かめようとブタペストに潜入した情報部員も撃たれてしまう。
    サーカスのリーダーで上司であるコントロール(ジョン・ハート)とともに引退したスマイリー(ゲイリー・オールドマン)は、”もぐら”がサーカス内にいるという情報を受けた外務次官(サイモン・マクバーニー)によって調査を依頼される。果たして”もぐら”はいるのか?いるとしたら”もぐら”は誰なのか?スマイリーの調査が始まる・・・。

    サスペンス・スパイ映画です。ジェームズ・ボンドはいないのでド派手なスーパーアクションや美女はいませ・・・、いや、美女のスパイは出てきます!やったー!(笑)やっぱり映画は美女が出てこないと!(笑)
    展開は息もつかせないというか、展開が早いので一つのカットでも見逃そうものならついていけなくなるかもしれません。それくらいに物語の進展が早いので、何がどうなっているか見失うこともままありました。
    加えて、一見関連性がわからないシーンが突然入ってきたりもして、後からようやく繋がりがわかるような展開が多々あったのも分かりにくさを助長していたかもしれません。
    全体的には、緊張感があり抑制の効いたサスペンス調の進行だったので、わかりにくさがあった割には、それさえもサスペンスの一部と考えれば作品としての出来は良かったのではないでしょうか。

    主演のゲイリー・オールドマンはいいですね~。抑えに抑えられた演技がとても良かったです。静かに静かに真相に迫る雰囲気が良く出ていましたね。あまりにも静か過ぎたせいか彼の思考過程がいまいちわからなかったのが難と言えば難なのですが、これもミステリアスさが出ていてプラス効果だったかもしれません。
    妻の浮気に苦しむ夫と、任務を果たそうと老骨に鞭を打つ老スパイという二つの面を内面から見事に醸し出していたと思います。
    そして、彼の右腕になるのがベネディクト・カンバーバッチですが、最初はどこかで見たことがある誰だっけ?と思っていましたが、シャーロックでしたね。噂?だけは・・・。私は『エレメンタリー』派なもので観たことなくて・・・。(^_^;
    この作品ではゲイリー・オールドマンに次ぐ重要な役どころだったと思いますが、重厚な俳優陣に引けを取らぬ活躍だったと思います。
    ところで、このベネディクト・カンバーバッチの役を含め、ゲイカップルが2組いて、もう一組の方はラストにも繋がる濃厚な関係だったわけですが、美女が1人だけだったことといい、これは原作者の趣味だったのかな?
    ああ、スパイのイメージがあ!(笑)
    美女も含めて、どのカップルもみな薄幸でしたけど・・・。(^_^;

    そういえば謎解きにいたる道筋と、謎解きの決定的場面もいまいちわかりにくかったのですが(笑)、ラストの”もぐら”の終焉シーンは良かったですね。
    そして、最後は何となくの爽快感も・・・。(笑)

    展開についていくのが難しい映画でしたが、重厚なサスペンスに彩られた作品でしたので集中して観ることができました。重厚な雰囲気に浸りたい方はどうぞ!

  • 渋くダンディなおじさんたちを楽しむ映画と言いましょうか・・
    舞台は冷戦時代、イギリスのスパイチーム「サーカス」。某007のようなド派手な映画ではなく、本当にひっそりとスパイをやっているチームに、東側の裏切り者「もぐら」が混ざっていた。原作は「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」という有名な小説。

    ゲイリー・オールドマン演じる主役がスマイリー。引退したスパイだが「もぐら」探しのために呼び戻された。
    右腕として活躍するのはベネディクト・カンバーバッジ演じるピーター・ギラム。
    「ティンカー」と呼ばれるアレリン、現在のサーカスのトップと、「ソルジャー」、「プアマン」、「テイラー」からなる。
    彼らにコードネームをつけた先代のボスがコントロール。チェコでの作戦失敗を期に、引退となった。
    チェコでの作戦を担当し、その後スパイの世界を抜け教師になった、テイラーと幼なじみでもあり深い関係にあったプリドーと、ロシアの地で「もぐら」につながる情報を得るも、ミスを犯し愛する女性イリーナを危機に追いやってしまう、工作員のターが別のキーパーソン。

    錯綜した情報と不倫や同性愛が示唆される込み入った人間関係のなかで、ついに「もぐら」にたどり着き・・

    誰が「もぐら」か?という話以上に、スパイの性というか、冷戦の影の部分で生きる虚しさが描かれる。人物いずれにも哀愁が漂い、表に見えないエリートたちのプライドと国家に隷属する意義に葛藤する。

    なかなか1回観ただけでは、ストーリーも個々人の表情から読み取れる複雑な感情もわかりにくい。2回以上見るのを進める声も多数。しかし重厚な映画で好きな人は本当に好きでしょう。一度観たらネタバレサイトを観てもよいかもしれません。
    個人的には原作を読みたくなりました。

  • TINKER TAILOR SOLDIER SPY
    2011年 イギリス+フランス+ドイツ 127分
    監督:トーマス・アルフレッドソン
    原作:ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』
    出演:ゲイリー・オールドマン/コリン・ファース/トム・ハーディ/ベネディクト・カンバーバッチ

    1970年代、米ソ冷戦下の英国情報部MI6=通称サーカス(※ケンブリッジ・サーカスに本部があったため)で、リーダーのコントロール(ジョン・ハート)は、極秘に部下の一人ジム・プリドー(マーク・ストロング)を呼び寄せ、ある指令を下す。それはサーカス内にいるモグラ=KGBの送り込んだ二重スパイの正体をあぶり出すために、その情報を握っているらしき人物の亡命を助けるためハンガリーへ赴くこと。しかし当の二重スパイにより情報が洩れていたのか、プリドーは待ち伏せを受けハンガリーで撃たれてしまう。彼は死んだと思われた。

    この不始末の責任を取るため、コントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)は辞任することに。だが間もなくコントロールが急死。死因は謎。さらに、サーカスを管轄する外務大臣とその次官であるレイコンのもとに、ある任務でトルコに派遣されていたリッキー・ター(トム・ハーディ)から、モグラの存在を示唆する連絡が入る。レイコンは、退職しているスマイリーを呼びよせ、彼に極秘でモグラが誰であるか突き止めるよう指示、スマイリーはリッキーの上官であるサーカスの中堅ピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)と、引退している元警部メンデルをチームの仲間に指名、三人はモグラ探しに乗り出すが…。

    簡単に言うと、組織内の幹部にいる裏切り者を探す、それだけなのだけど、とにかく登場人物が多い上に人間関係が複雑、そして次々登場するのがおじさんばかりなので、見知っている俳優さん以外が覚えられない、さらに名前を名字で呼んだり下の名前で呼んだりもあるし、序盤はもう誰と誰が誰について話してるのか全然わからない(苦笑)(2回見るのを推奨されてる映画のようだけど、確かにいろんな意味で2回目見ればより理解は深まるのかもしれない)

    スパイ物といっても007のような派手なアクションはないし、出てくるのは渋いおじさまばかり(ベネ様とトム・ハーディがめっちゃ若手に見える)あえて解り難い構成にしてあり、なかなか難解。とはいえ、見落とさないように常に緊張していなくてはならないので、退屈している暇はなく、2時間ちょっとはわりとあっという間だった。

    一応、自分のために整理しておくと、コントロールがリーダーだった時代の幹部は以下の5人。

    ○ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン):主人公。彼はコントロールの右腕として信頼されていた冷静沈着タイプ。唯一の弱点は若く美しく奔放な妻アンの存在。妻はあちこちで不倫三昧、この事件中も新しい愛人とどっかへしけこんでいて不在。
    ○パーシー・アレリン:コントロールが辞職したあとリーダーの地位についた。彼は元からコントロールと仲が悪く、あからさまに怪しい。見た目通り、頭でっかちで器の小さい人物で部下たちからの信頼も薄い。
    ○ロイ・ブランド:見た目イギリス版・嶋田久作。武闘派っぽい。アレリンとよくつるんでいる。
    ○トビー・エスタヘイス:コントロールのおかげで現職にありついた人物なのに、日和見で今はアレリンの腰ぎんちゃく。いかにも小物。
    ○ビル・ヘイドン(コリン・ファース):コリン・ファースなので、もちろんイケおじ、色男。趣味で絵を描く。実はスマイリーの妻の浮気相手の一人でもある。

    さて、ぶっちゃけ、この5人を並べてみて、主人公以外の中から裏切り者を探すとしたら、誰だと思いますか?これもう、キャスティングだけでバレバレですよね。どう考えてもコリン・ファース(笑)これはもう横溝正史の映画に岩下志麻が出てたら金田一先生の推理を待つまでもなく犯人に決まってるのと一緒です(笑)たぶん英国では広く読まれている原作のようなので、英国でなら観客のほとんどは推理するまでもなく犯人知ってるんでしょうね。

    まあそれはさておき、原題=原作タイトルである「TINKER TAILOR SOLDIER SPY」の意味ですが、これはマザーグース。いろんな職業を羅列していって、日本で言う「ど・れ・に・し・よ・う・か・な~」みたいな使い方をするらしい。コントロールがプリドーを呼び出して、モグラ探しについて説明する際に、チェスの駒に上記5人の写真を貼りつけたものを用意し、それぞれに、ティンカー、テイラー、ソルジャー…と暗号名をつけていったことが原題の由来(もちろん最後のスパイはマザーグースにはない)。

    そして話をややこしくしているのはこのジム・プリドーという男。ハンガリーで射殺されたかと思いきや実は生きていて、なぜか教師になっている。実は彼はビル・ヘイドンとは大学時代からの同級生で、仲良く肩を組んだ写真が数回出てくる。そして思わせぶりに視線を交える回想シーン。どうやらこの二人、長らく同性愛関係にあることが匂わされる。演じるマーク・ストロングとコリン・ファースは、のちにキングスマンではマーリンとガラハットとしてまたしても英国のダンディなスパイを演じることになるわけですが。

    そういう関係ゆえか、ビル・ヘイドンがモグラではないかと気づいていた節のあるプリドーは、コントロールから任務を請け負いハンガリーに発つ前夜に彼を訪問し自分の任務を話してしまう。これがどういう意図だったのかは不明ながら(信頼ゆえだったのか、それとも警告だったのか)結果、敵に情報は筒抜けとなりプリドーはハンガリーで撃たれてしまう。一度はKGBに捕われて拷問を受けるもなぜか戻ってきて一般人になったのは、どうやらビル・ヘイドンが手をまわして彼を助けたからだったようだ。ラスト(プリドーがビルを射殺する)からいくと、もはや主人公スマイリーよりもメインはこの二人の男同志の愛憎劇だったともいえる。

    あと何故かベネ様の役も同性の恋人がいる設定(これはあまり本筋とは関係ない)KGBの大物スパイ、モグラの黒幕であるカーラという人物も、過去のある出来事がきっかけで、スマイリーに執着している様子だし、とにかく同性愛臭が濃厚。トム・ハーディだけがソ連側の女スパイと恋に落ちるが、これは悲恋に終わり可哀想。原作はスマイリーとカーラの対決するシリーズものらしいので、原作を読めば登場人物たちの複雑な背景がもっとわかるのかも。

  • ●キャストが白人男性だらけなもんで、正直役名と本人のルックスがええ勢いで一致しないと言う。
    あまりのことに、鑑賞途中でwiki先生にお伺いを立てました。どうもありがとうございます先生ッ。(いちおう横目だったんですが、おかげで犯人?をフワッと推測してしまったと言うね…忍耐大事。)

    ●そんなこんなでオッサン共がカッコよかったです。いやほんと誰が誰やらでどうにも混乱したけどな。そんでもってカンバーバッチ氏は金髪が似合わんわ。(※個人の見解です)

    ●出来れば2回以上観たら理解が深まるんじゃないかな☆で賞。いやまあ音楽含めカッコいい映画だとは思うんですがねえ。
    ついでにジョン・ル・カレがお亡くなりになったのが2020年だと言うことに衝撃を受けるで賞。歴史上の人物かと思ってた……ガクリ。そんで何故かゲイリー・オールドマンも亡くなってた気になってました…よかった気のせいで! 長生きしてくださいね!←恋に落ちたのは何時かって? もちろんアレだよレ×ンだよ! や、当時は世間の共感を得られるとは思いませんでした…皆、気をつかって声をひそめていたのね……。






     

  •  

  • 東西冷戦中の諜報部の話だけれども、その時代背景や歴史を知らないといまいち難しいかもしれない。トリックや二重スパイの秘匿性が高ければ高いほど話が入り組むので、これはどちら側の誰なんだ?という感じになった。
    すごい豪華なキャスティングで当時のファッションや当時の社会の空気感はものすごく再現されてると思う。

  • 半分までは見るのをやめようかと思ったけど、半分以降が最高に面白かった

  • 再鑑賞。1度目は理解できてなかったけど愛の物語だったんだ。号泣してしまった。

  • いやー面白かった。
    これは3回くらい観ないと理解できないかも。
    2度目の視聴でやっと全貌がわかった。
    何年か前に観たきりだったので、てっきり途中までスマイリーが”もぐら(二重スパイ)”だと勘違いしていた。
    重厚で頭を使うこの映画はながら見はできない。
    めがねのフレームで過去か現在かを判断したり、東欧はパリかの設定も字幕が出ないのでこっちで見極めないといけないし、スマイリーとカーラの過去が明らかになったり、スマイリーの奥さんの不倫相手を見極めたり、と複雑だけどその分面白い。
    で、けっこうゲイ?もこの作品には欠かせない要素なのか。
    ビル (コリン・ファース)然り、ピーターも(B・カンバーバッチ)。
    ラストはあれで良かったのかい?ジム?
    でも、自分だって殺されそうになったんだものね。
    断腸の思いで撃ったんだろう。
    原作も読んでもっと深く理解したくなった。

    Tinnker Tailor Soldier Spy 2011 128 英 仏 独
    Wowowo
    監督 : トーマス・アルフレッドソン
    原作 :ジョン・ル・カレ 「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」
    コリン・ファースも出演 : ゲイリー・オールドマン コリン・ファース トム・ハーディ ジョン・ハート トビ―・ジョーンズ ベネディクト・カンバーバッチ

    一度目、あなたを欺く。
    二度目、真実が見える。

  • 面白かった。
    話が難しくて「んん?」となってたけど、それでもみんなが怪しく見えてくる。
    一度疑うと全て怪しく見える。
    静かに物語が進行しつつ緊迫感もあって良かった。
    また観たい。

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