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感想・レビュー・書評
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経営の経験はなく、どうしても一人のサラリーマンとしてしか照合はできない(想像しにくい部分はある)が、働くことに対するスタンスと重なる部分もいくつかあったように思う。
本書第三章「誰をバスに乗せるか」において、成功企業はだれを選ぶかをまず決めて、その後に何をすべきかを決めるという法則があると記されていた。「誰と仕事をするか」「なんの仕事があるか」という順番を大事にしてきたが、そんな自分のスタンスと重なったような気がした。
針鼠の概念は、(ちょっと違うのだろうけど)ゼネラリストとスペシャリストという対比が頭に浮かんだ。
第5水準のリーダーシップとかは、正直まだピンとこない。自分の中に観測できないからだろう。ただ、最高のメンバーに恵まれた環境で仕事に関わっていけば、いずれチーム、組織をもっと良くしていきたいと思えるようになるのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ビジョナリーカンパニー1(時代を超える生存の原則)の前編。
ビジョナリーカンパニー2では、ある時をさかいに急に業績をのばした企業を分析。
飛躍の瞬間に、何がビジョナリー・カンパニーの中でおこなわれたのかが書かれています。
最大の見所は、登場した優良企業の半分以上が消滅、もしくは倒産していることですwビジョナリーカンパニーとは結果論である...
○適切な人を組織に入れる
・最も有名な一節。「バスに乗せる人を選べ」
・ビジョナリー・カンパニーでは目標を決めてから、それに見合う人を組織に入れていなかったという法則。
・適切な人を集めてから目標を決めていた。
・本書では、バスに乗せる人を選ぶことが重要で、ビジョンは必要無しとまで書かれている。
・社員への「動機付け」は行わない。というより動機付けが既に完了している社員ばかりになるから。
→中小企業ではムリなお話でもある。
○3つの円が重なった部分(ハリネズミの概念)に集中する
(1) 世界一になれる部分はどこか
(2) 経済的原動力になるのは何か
(3) 情熱をもって取り組めるのは何か
3つの円が完全に重なった部分に集中せよ
○人ではなく、システムを管理する
ビジョナリー・カンパニーは規律の文化を作るが、比較対象企業は規律をもたらす暴君がいるだけ。
前者は有益だが後者は有害であり、似て非なるもの。
○新技術にふりまわされない
・ITなど、新しい技術を使えば業績が上がるわけではない。
・「3つの円が重なった部分」を促進する新技術だけが業績を伸ばす原因になる。
○劇的な転換はゆっくり進む
・飛躍した企業は「なすべき事」ではなく、「してはならない事」「止めるべき事」を重視している
・劇的な転換が起きている最中に何か特別なことが起きているわけではない。今までの行動の蓄積によって、急にスピードが上がっているだけである。
○まとめ
業績が飛躍する瞬間に何かが起こっているわけではない。
今までの積み重ねの結果、あるとき急に飛躍しているだけ。
その積み重ねとは何かが法則的に書かれているのが、ビジョナリーカンパニー2。 -
ビジョナリーカンパニーを探索するための多大な努力と研究に敬意を表したい。そして、その研究結果から、「人を選ぶことが何よりも重要であること」、「ピーナッツバター投資をしないこと」、「心理的安全性が確保された企業文化の重要性」など、飛躍した企業の特徴、ファクトとして抽出されていることに、安心した
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一より面白い
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『2』だけど、前作とは独立している。前作は「偉大な会社」の話。本作は「偉大な会社へ飛翔する会社」の話。
というわけで、時間軸的には『2』→『1』。『1』より『2』をすすめる人が多いのも頷ける。
企業経営のみならず、個人の人生を考えるうえでも参考になる。"ハリネズミの概念"とか、"弾み車効果"とか。 -
まず一緒に取り組む人を決めて、その次に目的地を決める(目的地が変わっても、一緒に取り組めるように)。
仕事に限らず、パートナー選びも同じですね。 -
上司に勧めていただいた本を読了。
「だれをバスに乗せるか 最初に人を選び、その後に目標を選ぶ」という章が面白かった。ただ闇雲に人を増やせば良いわけではなく、誰とどうやって進めていくかが大事だと思った。 -
企業が飛躍し偉大な会社と呼ばれるまでにどういうプロセスを経るのかということを飛躍した会社と同業種の没落した企業を比較して説明している。
キーワードとしては規律であり、積み重ねである。 -
Andの法則で、やりたいことであり、ビジネスにもなる
と言ったようなAかつBを選んでいくという話はすごい参考になった。
また
・情熱があり
・収益性があり
・世界一になれる
という領域を選んでいくということもその通りだなとふに落ちました。 -
とても読みやすいビジネス書でした。また、何度も読み返したくなる本でもあります。第5水準の経営者、適切な人を集めてから目標を設定する、厳しい現実を見る、ハリネズミの概念、3つの円など、良い会社から偉大な会社へ成長するために必要な教訓が具体例を混じえて詳しく解説されています。
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(小城)最近読んだ本でベストに入ります。改めて人や組織の重要性を理解し、自身の判断軸などを考えさせらました
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最初に出てくる言葉は「バスに乗せる人を選べ」だ。
これは実は個人的には納得。
案外と人選を疎かにしている経営者は多いと思う。
もしくはサラリーマン経営者の場合は「自分は人選すべき立場でない」と思っているかもしれない。
そもそも取締役とは株主総会で決議されるもの。
だから自分が人選するのではなく「今いる陣容でどうするか」を考えるのは当然と思う。
そうなると、やっぱり「ビジョン」だったり「社是」が必要だと思うのだ。
自分たちの「ゴール」を共有しないと、それぞれバラバラな出目の人たちをまとめることは出来ない。
しかし本書では、バスに乗せる人を選ぶことが重要で、ビジョンは必要無しとまで言う。
確かに一理あるが、ここは難しいところだと思う。
選べない様々な背景の人たちをどうまとめていくか。
これはまさにダイバーシティの考え方だし、今の時代ではものすごく重要なマネジメントスキルだと思う。
バスに乗せる人は確かに選べない。
しかし「個人的に納得」というのは、「人選が間違いなければ、成功確率が上がる」もまた信なりと思っているからだ。
今更記載することではないが、企業経営とは「人」なのだということを、本当に心の底から感じている。
だからこそ、株主にしても、ファンドにしても、親会社にしても「最初の設立メンバーを選ぶ」ということを真剣に考えてほしいのだ。
バスに乗せる人は選べないが、もし選べるなれば、成功確率は確実に上がる。
それだけ「最初のメンバーが重要」ということを改めてここで思い出した。
本書では他に「弾み車」についても論じている。
実は先に「ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則」を読んでしまっていた。(作者同じ)
てっきり「ビジョナリー・カンパニー2」の中で「弾み車」について記載した箇所だけを抜粋した別冊版だと思っていた。
別冊のような薄さだし、正直内容が同じものだと思っていた。
結論から言うと、「ビジョナリー・カンパニー2」では「弾み車」の「効果」について少しだけ触れているだけだった。
「ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則」は、真意や詳細解説までもきちんと書かれている。
前書で「説明が足りなかった。伝わらなかった」と感じた部分を補足しているかのようだ。
正直な感想で言うと「ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則」を読む方が重要と思う。
ジェフ・ベゾスの紙ナプキンで有名になったが、この「循環する仕組み」を意識して作ることは本当に大事なことだ。
しかも「ただの循環」でなく「循環しながら、自動的に拡大する仕組み」になっていることこそが、最も重要なポイントだ。
確かに最初の数回転は巨大な力が必要だろう。
しかし一たび回り出せば、徐々に勢いは増していき、ついにはスゴイスピードになっていく。
上手く回っている企業は、確かにこれがある。
しかも普通の循環以上の、「循環して拡大」になっている。
これを自社で作るにはどうすればよいのだろうか?
考えることが重要だし、みんなで一つ一つの事業について議論したいところだ。
何か弾み車になる方法があるのではないか?
それを想像しただけでワクワクしてしまう。
「人選」と「弾み車」改めて、常に意識していきたいと思った。
(2020/8/17) -
2001年に発刊された続編。
普通の会社が、世界有数の経営者に率いられた超一流企業にどのように成長していったのか。
著者曰く「前作よりも時間軸としては前になる」。
これらの企業に共通する特徴
・第五水準の指導者に率いられている
・それらの指導者は謙虚だが意志が強い
・「だれを選ぶか」が先。その後に何をすべきかを決める
・社員への「動機付け」は行わない。というより動機付けが既に完了している社員ばかりなのである。
・規律は必要だが、官僚的になってはいけない。官僚制度は規律の欠如と無能力を補うためのものでそのような人は、その企業に居ないはずである。
・技術は大切だが、促進剤としての役割。勢いそのものを作り出すことはできない。
・「力の結集」「従業員の動機付け」「変化の管理」には力を入れていない。既にできている。
以上のことより、「第五水準の指導者」に率いられた「(その企業にあった)選ばれた人」の組織が必要ということになる。とにかく「誰を入社させるか」に重きを置いている印象を持った。
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「良好」 は 「偉大」 の敵であり、偉大な人生を送る人がめったにいないのは、かなりの部分、平凡な人生に満足すれば気楽だからだ。
著名で派手なリーダーが社外から乗り込んできたことは、偉大な企業への飛躍との相関性がマイナスになっている。
経営陣の報酬の形態と飛躍との間には、一貫した関係は見つからない。
「してはならないこと」と「止めるべきこと」を重視して業務をすすめる。
凡庸な大企業二社が合併しても、偉大な企業になることはない。
偉大さは事業環境によって生み出されたわけではない。大部分、意識的な選択の結果である。規律ある人材、規律ある考え、規律ある行動の三段階が重要である。
適切な人材こそがもっとも重要な資産となる。
どんな困難にぶつかろうとも、最後にはかならず勝てるし、勝つのだという確信が確固としていなければならない。
中核事業で世界一になれないのであれば、中核事業が飛躍の基礎になることは絶対にありえない。
良い組織を、偉大な実績を持続できる組織に変える法則
個人としての極端なほどの謙虚さと職業人としての意思の強さをあわせもつ指導者必要だ。
この指導者の批評には、物静か、控えめ、謙虚、無口、内気、丁寧、穏やか、目立たない、飾らない、マスコミにどう書かれても信じないなどの言葉が頻繁に出てくる。また、熱狂的といえるほど意欲が強く、すぐれた成果を生み出さなければ決して満足しない。どのようなものであれ、凡庸には我慢ができず、無難なら良いと考える人たちにはまったく我慢ができなかった。
この指導者は、それぞれの責任範囲で業界一になる能力がなければ、職を失う。
この指導者になるには、自分を見つめる機会、意識的な努力、指導者、偉大な教師、愛情豊かな両親、世界観が変わるような体験、第五水準の上司などの条件が必要である。
第五水準の指導者は徹底して謙虚であり、控えめで飾らず、職人のように勤勉に仕事をする。見栄えのいい馬より農耕用の馬に近い。
第一に、「何をすべきか」ではなく「だれを選ぶか」からはじめれば、環境の変化に適応しやすくなる。最高の人材を集め、業界一の経営幹部になるように鍛え、そのうち何人かは他社に引き抜かれてCEOになっても、それを現実として受け入れるというものである。
報酬制度の目的は、不適切な人びとから正しい行動を引き出すことにはなく、適切な人をバスに乗せ、その後もバスに乗りつづけてもらうことにある。
飛躍を遂げた企業は、採用にあたり、学歴や技能、専門知識、経験などより、性格を重視している。
性格や労働観、基礎的な知能、目標達成の熱意、価値観はもっと根深いものだとみている。
厳格であって冷酷ではないのであれば、優秀な従業員は自分の地位を心配することなく、仕事に全神経を集中させることができる。
相手を気づかっているからではなく、その方が自分にとって楽だからである。
適切な人材を適切な場所にあてるために費やす一分間は、後の何週間分にもあたる価値がある。
優秀な指導者は、家族とすごす時間をそれほど減らしておらず、夜や週末にはたらくことはまずなかった。
最初に人を選び、その後に目標を選ぶ。疑問があれば採用せず、人材を探しつづける。人を入れ換える必要があることが分かれば、行動する。最高の人材は最高の機会の追求にあて、最大の問題の解決にはあてない。人材は最重要の資産ではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産である。人は、基礎的能力が重要である。意思決定の全過程にわたって厳しい現実を直視する姿勢を貫いている
重要なのは、「従業員の意欲を挫かないようにするにはどうすればいいのか」である。答えを言うのではなく、質問によって指導する。時間のかなりの部分を「理解しようとする努力」に費やした。これは、答えを出せるほどには現実を理解できていない事実を謙虚に認めて、最善の知識が得られるような質問をしていくことを意味する。偉大さへの飛躍を遂げた企業はすべて、激しい議論を好む傾向をもっている。したがって、カギは情報の質にはない。入手した情報を無視できない情報に変えられるかどうかがカギである。
不撓不屈要因は次の通りである。最後にはかならず勝つという確信、これを失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない。厳しい状況にぶつかったとき、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならず、同時に、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。
経営者が強い個性をもっているとき、部下が厳しい現実を報告しなくなりかねない。
きわめて単純な概念を確立して、これを判断基準としてすべての決定をくだしていた。
第一に、飛躍した企業では、戦略の策定の基礎として、三つの主要な側面(自社が世界一になれる部分はどこか。経済的原動力になるのは何か。情熱をもって取り組めるのは何か。財務実績に最大の影響を与える分母をたったひとつ選んで、「X当たり利益」という形で目標を設定する(非営利事業であれば、「X当たり年間予算」になるだろう)。)を深く理解している。
第二に、飛躍した企業では、この深い理解を単純で明快な概念にまとめ、この概念をすべての活動の指針にしている。
従業員は次のことで仕事を選ぶ。
第一に、持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を活かして、おそらくは世界でも有数の力を発揮できるようになる。
第二に、その仕事で十分な報酬が得られる。
第三に、自分の仕事に情熱をもっており、仕事が好きでたまらず、仕事をやっていること自体が楽しい。
このため、分母に関する問いを使って、自社の経済的現実に関する理解を深めることである。自分たちが情熱を燃やせることだけに取り組む方針をとる。
アボット 財務指標の分母──従業員一人当たり
サーキット・シティ 財務指標の分母──地域当たり
ファニーメイ 財務指標の分母──住宅ローンのリスク水準当たり
ジレット
財務指標の分母──顧客一人当たり
キンバリー・クラーク 財務指標の分母──消費者向けブランド一つ当たり
クローガー 財務指標の分母──地域の人口千人当たり
ニューコア 財務指標の分母──鉄鋼製品一トン当たり
フィリップ・モリス 財務指標の分母──世界的なブランド・カテゴリー当たり
ピットニー・ボウズ 財務指標の分母──顧客一社当たり
ウォルグリーンズ 財務指標の分母──来客一人当たり
ウェルズ・ファーゴ 財務指標の分母──従業員一人当たり
自分たちが情熱を燃やせることだけに取り組む方針をとっている。
針鼠の概念の確立は、その性格上、反復の過程であって、一回で終わるようなものではないことを認識すべき
評議会は非公式の組織であり、公式の組織図や公式の文書には記載されない。
世界一になれる点がどこかにあるはずだ。それを探し出してみせる。世界一にはなれない点がある厳しい現実も、直視しなければならない。この点で幻想を抱いてはならない」。
要点
偉大な企業になるには、三つの円が重なる部分を深く理解し、単純明快な概念(針鼠の概念)を確立する必要がある。
実績はかならず、年初に約束した言葉そのものと比較して評価する。
枠組みの中での自由と規律という考えを中心にした文化を築く。
この文化にふさわしい人材として、みずから規律を守る人たち、自分の責任を果たすためには最大限の努力を惜しまない人たちを集める。
針鼠の概念を徹底して守り、三つの円が重なる部分を熱狂的ともいえるほど重視する。これと変わらぬほど重要な点として、「止めるべき点のリスト」を作り、三つの円が重なる部分から外れるものを組織的に取り除いていく。
転換の第一段階は規律のある人材だ。
第二の段階は規律ある考えだ。
銀行には無駄が多すぎる。無駄を取り除くのに必要なのは粘り強さであって、賢明さではない。
大きな機会にぶつかって「ありがたいが見送りたい」と言うには、規律が必要だ。「一生に一度の機会」であっても、三つの円が重なる部分に入っていないのであれば、飛びつく理由はまったくない。
ニューコアはどんな組織にもいずれはびこる階層差を根絶するために、極端な方法までとっている。
やるべきことのリストがあるだろうか。 それだけではなく、止めるべきことのリストも作っているだろうか。
超優良に飛躍した企業では、予算編成は、どの分野に十分な資金を投入し、どの分野に資金をまったく割り当てないかを決める規律の仕組みになっている。
もっとも効果的な投資戦略は、「正しく選択した分野への非分散型投資」である。
第五水準の指導者がいて、適切な人をバスに乗せ、厳しい現実を直視する規律をもち、真実に耳を傾ける社風を作りだし、評議会を作って三つの円が重なる部分で活動し、すべての決定を単純明快な針鼠の概念にしたがってくだし、虚勢ではなく現実の理解に基づいて行動すればいい。
一生に一度の機会」であっても、三つの円が重なる部分に入っていないのであれば、飛びつく理由はまったくない。
止めるべきこと」のリストは、「やるべきこと」のリストよりも重要である。
技術は適切に利用すれば業績の勢いの促進剤になるが、勢いを作りだすわけではない。
何かを作り上げようと試みたとき、改善しようと試みたときはいつも、何らかの絶対的な基準に近づこうとしている。
飛躍の道は小さな努力の積み重ねによって開かれていく。
名前はついていなかったのである。
超優良に飛躍した企業は、転換の動きに名前をつけていなかった。
最高の業績を達成するために何が必要なのかを認識し、つぎに、各段階をひとつずつ順にとっていく。弾み車を一回ずつ回転させていくように。
弾み車による準備と突破の動きが、贅沢な環境に恵まれた結果ではなかった点を理解しておく
ピーター・ドラッカーはかつて、こう語っている。経営者が合併や買収に乗り出すのは、健全な根拠があるからというより、ほんとうに役立つ仕事と比較してはるかに強烈な興奮を味わえるからだ
自社が世界一になれる部分はどこか、経済的原動力になるものは何か、情熱をもって取り組めるものは何かという基本的な問いに答えようとはしない。
利益は後からついてくるものであり、われわれがこの点を忘れなければ、利益はかならずついてくる。
永続する偉大な企業は、基本的な価値観と目的を維持しながら、事業戦略や事業慣行では世界の変化にたえず適用している。これが「基本理念を維持し、進歩を促す」魔法の組み合わせである。
仕事を根本から単純にすると同時に、効率を高められる魅力があり、力がある。
いま実行している点のうちかなりの部分が、せいぜいのところ力の無駄遣いである事実を認識することにある。仕事時間のうち半分以上をこれら原則の適用にあて、それ以外の点は大部分無視するか、中止すれば、人生が単純になり、実績がはるかに向上する。
これらの考え方を適用すれば、仕事が厳しくなるわけではなく、実績が向上し、その過程がはるかに楽しくなるのであれば、偉大さを目指さない理由があるだろうかと。
大がかりな仕事に取り組むとき、その動機の核心部分にある点だ。意味の追求、もっと正確にいうなら、意味のある仕事を求める気持ちである。
「なぜ偉大さを追求しなければならないのか。そこそこの成功で十分ではないのか」と問わなければならないのであれば、おそらく、仕事の選択を間違えている。
最大の損害を及ぼす誤りは、不適切な人を主要なポストにつけることである。
個人の性格をもっと重視して、専門知識への偏重をあらためていくべきだ。技術は学べるし、知識は獲得できるが、その組織に適した基本的な性格は学ぶことができない。
優秀な人材を雇用すべき。
評議には適切な人だけを集め、不適切な人は無視する。
第五水準の指導者になれるよう、つねに自分を磨いていく。
第五水準のリーダーシップ」と呼ぶ、優れた経営幹部の存在。
どんな困難にぶつかっても最後には必ず世界一になれるのだという確信をもつと同時に、自分がおかれている現実を直視する。
規律ある人々との徹底的な対話を通じて自分たちが世界一になれる分野となれない分野を見極め、なれる分野にエネルギーと情熱を傾注する。