夏美のホタル (角川文庫) [Kindle]

著者 :
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  • 「虹の岬の喫茶店」「海を抱いたビー玉」に続き、森沢明夫さん作品の3つ目として、夏美のホタルを読んでみた(Kindle unlimited読み放題にありました)
    主人公は、カメラマンを目指す大学生と幼稚園の先生として働く女性のカップル。この2人がツーリングの際、トイレを借りるためにたまたま入ったお店で、ある親子と出会うことから話が始まる。
    ある親子とは、若い頃足を悪くしてしまい体が不自由な息子(通称:地蔵さん)とその母親。この2人の醸し出す雰囲気、優しさが文面だけでもひしひしと伝わってきて、それだけでも読んでで心地よい。
    この親子とカップルは親交を深めていくが、最終的にはこの”地蔵さん”は亡くなってしまう。ただ、このカップルと出会ったことで、そこに奇跡が起きる。
    家族の絆、そして本当の愛情とは何か、切ないけれど暖かい、そんな作品に仕上がっている。
    こちらも映像化はしているらしいのでいつか見てみようと思う。

  • 文章から作者の温かみが溢れ出していて癒された。

  • 登場人物みんなの暖かな繋がりにほっこりと感動。筆者あとがきのラストに書かれていた、「人生は出会いと別れの連続だからこそ、別れがとことん寂しくなるよう、その人との今を慈しむ」という言葉が深く染み込む。
    ページ数も比較的少なめで読みやすかった。

  • 夏の匂いと人の暖かさとを感じるあったかい物語。
    涙腺が緩みっぱなしになりました。
    読むと優しい気持ちになります。
    心が疲れたときに読んでほしい一冊。

  • ふと立ち寄った房総半島の古びた雑貨店に暮らす母子と若者の交流を描く。本当に優しい人たち。若者によって年取った母子は彩りを取り戻し、若者は母子との出会いをきっかけに羽ばたいていく。生まれてきてくれてありがとう、という子どもへの想いを再び思い出した。

  • 物語は二人の若者が、年老いた母と息子の営む古びた雑貨屋「たけ屋」を訪れるところから始まる。人との出会い、そして別れが、故郷の美しい情景とともに描かれている。癒され、心温まる物語。
    個人的に『エミリの小さな包丁』に出てきた風鈴が、この小説の中にも出てきて嬉しかった。

    「時間とか、人の心とか、思い出とか……目には見えないけれど、でも確かに存在するものがある。ーーわたしたちは、自分の内側の『想い』という見えない力を頼りにして、この世の目に見えない大切なものたちと寄り添いながら生きていくしかないのだろう。」

  • 山や川のおいしいものの描写、四季折々の田舎の風景がまぶたの裏に浮かんでくる。
    いなくなってしまった命、また新たに宿る命。
    地蔵さんの言葉や生き様が2人の子に、
    生命のリレーは続いていくんだと感じた。

  • 山里での掛け替えないひとときがやさしく描かれてる。自然の描写が鮮明で、読みながら一緒にこの夏を楽しませてもらえた。出てくる誰もがあたたかくて、いいなぁ。
    親から子・世代の継承や人と人のつながりがテーマ。
    あとがきの最後まで大切に読んでほしい。

  • 森沢さんの本、改めて良いなぁと思った。優しい人がたくさん。

  • みんな優しい。 出世払いというフレーズが終わり付近に再度出てきて、この事かぁ、、となった。 あーこれがここに繋がるのか。という部分が何箇所もあり、読んでて楽しかった。 この作者さんの他の作品も読んでみたい。

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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