文學界2014年11月号 (文学界)

  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 木下古栗「股間の大転換」収録。

    温暖化がさらに進んだ3000年代、人びとは股間をまる出しにして暮らしていた。公共の場で股間を隠すことは禁じられ、性交時や入浴時には逆にパンツを履く。居酒屋ではビールで股間を冷やし、煙草は肛門で吸う。女性は股間に化粧をするようになり、陰部を剛毛にするのが流行っている。美容院では頭髪と一緒に陰毛もシャンプーで洗う。

    「蒸し暑いから、また殺人増えてるみたいだね」
    「太陽も眩しいしね」(p.102)

    数か月後、世界中が大寒波に見舞われ、死者も出るようになる。そんななか、朝のニュース番組でひとりのアナウンサーが決意をもって語り始める。

    「今の世の中の、現代人の格好はどこか、間違っているのではないか…」


    筒井康隆の随筆「ウクライナ幻想」も収録。クリミア併合を受けて、現地の旅行体験を思い返しながら自身も小説化したロシア叙事詩の英雄「イリヤ・ムウロメツ」の生涯を回想する。

  • 木下古栗「股間の大転換」

  • 記念。

    随想
    ウクライナ幻想   筒井康隆

    創作
    フォアビート・ノスタルジー   石原慎太郎
    ── 一九八〇年代記── 三章
    山王下 (さんのうした)   藤沢周
    五月最後の金曜日   片岡義男
    股間の大転換   木下古栗
    あと一匙   向井康介
    デリートな気分   中山智幸
    目地部長   四元康祐

    二〇一四年下半期同人雑誌優秀作
    サンクチュアリ   山本文月

    追悼 稲葉真弓
    もっとお話をしたかった   中沢けい

    第119回文學界新人賞中間発表

    〈どう書くか、どう読むか、小説の極意は「間取り」にあった!〉
    スペシャル鼎談
    創作と「間取り」の素敵な関係
    川上弘美 柴崎友香 松浦寿輝

    連載
    みんな彗星を見ていた 第二十二回   星野博美
    哲学探究──存在と意味── 第五回   永井均

    エセー
    ビヨンドエッグと人造米   宮内悠介

    文學界図書室
    金井美恵子『お勝手太平記』(湯浅学)/島田雅彦『往生際の悪い奴』(鈴木涼美)/戌井昭人『どろにやいと』(佐々木敦)/松山巖『須賀敦子の方へ』(若松英輔)/ジュンパ・ラヒリ『低地』(日比嘉高)/川上弘美『水声』(小山田浩子)

    コラム
    も詩も詩   穂村弘
    カーヴの隅の本棚   鴻巣友季子
    ニッポンの名文   山口文憲
    鳥の眼・虫の眼   相馬悠々
    新人小説月評   阿部公彦 福永信
    Author’s Eyes
     歩兵   朝比奈あすか
     ポップな総統   波戸岡景太
     「共有」の体験   河野至恩
    日本全国文學ガイド(10月7日~11月6日)
    文學界新人賞応募規定
    執筆者紹介
    Animated Image   山村浩二
    詩〈新聞になる〉   和田まさ子

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