- Amazon.co.jp ・電子書籍 (187ページ)
感想・レビュー・書評
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面白かった
本文もさることながら、巻末の竹鶴孝太郎氏の文章が興味深かった
孫からの視点での竹鶴政孝・リタ夫妻
ウイスキーは飲みたくなるしマッサンは見たくなるし、困ったものだ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジャパニーズウイスキーの父、竹鶴政孝の半生を書き留めた一冊。
マッサンのウイスキー造りへの情熱と想いが手に取るようにわかる。
ウイスキーに興味を持ったらスグに読み始める事をオススメする! -
マッサンで有名な竹鶴政孝さんの自伝。広島県竹原の造り酒屋の三男として生まれた20世紀初頭の頃からの話から始まり、大阪商大でのウイスキーとの出会い、摂津酒造での阿部社長との出会いと四年に渡るスコットランドでのウイスキー修行と配偶者となるリタとの出会い。日本に帰ってからの不遇の時期とサントリーの鳥井信治郎の下での日本初となる山崎のウイスキー蒸留所の建設、袂を別って余市での再出発と、戦後の経済が厳しい時代の質の妥協とビジネスとしての成立、業界に働きかけて日本のウィスキーのレベルをスコットランドに比肩しえるところまで品質基準を向上させ、余市のハイランド的蒸留所、西宮のカフェ式グレーン蒸留所、宮城峡のローランド的蒸留所の三拠点を作るところまで記載。
このほか、老後の熊撃ちや釣りなどの趣味の話、星野直樹、孫の孝太郎氏、谷村新司などの関係者からの寄稿が巻末にある。
孝太郎氏によれば自伝には事実誤認があるようだが、それでも日本におけるウィスキーの発展の歴史や関係者の思い、世相などを概観できて非常に良かった。
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顧みるとウイスキーで苦しみ、ウイスキーで喜んだ人生であった。
遊びがないと風流なものは出てこない
余白を全部切り捨てていくとギスギスになってしまう。
嗅覚と味覚は経験が多いほど養われ、特に香りは記憶に深く残る。 -
ウイスキーの父と呼ばれた竹鶴政孝の半生は、どんなものだったのか。生い立ちからスコットランドへの留学、妻リタとの日々など、ウイスキーづくりに留まらず、詳細に綴られた自伝。
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『マッサン』を観ていたので、興味を持って読んでみた。竹鶴さんは自分語りが上手、と聞いたけれど、たしかにそのようだ。文章もしっかり残っているし、写真もマメに撮っていたようだし。スコットランドへ渡るのに1ヶ月、どんな時代だったのだろう。想像もできないくらいなので、逆に小説のように楽しむことができた。 -
朝ドラで取り上げられ復刊された本をKindleで読んでみました。竹鶴政孝が「私の履歴書」で連載したものをまとめた本です。
本人が記憶を頼りに過去を綴ってますが、事実誤認もあるらしく、あとがきなどで子孫が訂正している部分もあります。がしかし、日本ウイスキーの草分け的存在の竹鶴政孝の人生は淡々と書かれていますが面白いです。
巻末には関係者から見た竹鶴政孝の文章もあり、客観的な視点が実像に立体感を与えています。
朝ドラでは奥さんをたくさん描いてますが、この本ではあまり奥さんのエピソードはありません。ただ、太平洋戦争など激動の日本に生きた外国人の奥さんの苦労は計り知れないものだったのでしょう。自分より若いのに先に死んでしまった奥さんをいたわる竹鶴の気持ちが伝わってきます。
孫には国際結婚を薦めなかったというエピソードからも、大変仲の良い夫婦だったそうですが、遠い異国に連れてきてしまったことに対する後悔の念があったのかもしれません。