銀河英雄伝説6 飛翔篇 (らいとすたっふ文庫) [Kindle]

著者 :
  • らいとすたっふ
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感想・レビュー・書評

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  • 巻数だけ見ると物語といよいよ後半に突入という感じなんだけど、初期に設定された物語の軸はすべて前巻で達成されてしまっている。
    ラインハルトはローエングラム王朝を築きあげたし、自由惑星同盟も事実上の無条件降伏。ヤンは退役している。三国志をモチーフに書かれたという本作では、無事に天下統一がなされたというわけだ。


    じゃあ、この巻では平定後の安定した治世の構築が描かれるのか・・・というと、そうではない。むしろ描かれるのは、これまでよりも醜い人間性だ。
    これまでにも自由惑星同盟側にはトリューニヒトをはじめとする政治家たちがおり、帝国側にも「門閥」と呼ばれる旧勢力がいたわけだが、決着付け方は戦場での戦いであり、その戦い方はわかりやすかった。
    ところがこの巻では、争いは戦場ではなく政治の世界で行われる。そして、その戦いにエネルギーを注ぐのは、安定した世界での立身栄達なのだ。戦場に慣れすぎた人間は、戦いのない生活ができないとでもいうかのように。


    自由惑星同盟の思い込みと暴走により命を失いかけたヤンは、シェーンコップたちの活躍により、新たな戦いに身を投じることになる。

著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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