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感想・レビュー・書評
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有名な「ロボット工学の三原則」が描かれたSFの古典的名作。連作短編。1950年の作品。
①ロボットは人間に危害を加えてはならない、②人間の命令に従わなければならない、③①と②に反しない限り自己を守らなければならない。
この三原則の下でイレギュラー・不可解な挙動を示すロボットたち。人の見ていないところでサボタージュしたり、人間の深層感情に配慮して嘘をついたり、巧妙に裏をかく行動をとったり、ジレンマから逃避行動をとったり…。そしてラストでは人智を越えた賢さで人類を平和へ導くAIの姿が描かれる(「人類は未来に対してみずからの発言権を失ってしまった」)。
70年以上前の作品なのに、今読んでもAIが導く未来を彷彿とさせる、秀逸な未来SF になっている。こりゃ凄いな!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロボットが人の頭上に物を落としたら、ロボットが人に危害を加えたと言えるか?実際に危害を加えたのは重力のほうなのではないか?(第一条が緩くなったときに起こる問題?)
ロボットが人を絶対に助けられない状況下で人が死の危険にさらされている時、ロボットはロボット工学の三原則の第一条を破ったことになるのか? -
ようやく読んだ。
なるほど、「古典」と言われるのはこういうことか。
1950年刊行だなんて信じられないほど、現在のAIの話やその後につながるような示唆。
いや、逆にここで提示された「ロボット工学三原則」が現在を作ったのかもしれない。 -
70年経っても未だ色褪せないSFの傑作。AIと向き合うこれからの私たちにとっては、この話がフィクションでない時代が近づいている気がした。
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かなり面白かった。
現代のAIとの付き合い方にも通じるのかも。 -
有名な「ロボット工学三原則」は知っているけれど本作は読んだことがない人も多いのでは。自分もその一人だったのでようやく読むことができて良かったです。大変面白く、古さを感じさせない名作SF。登場するロボットがどれも愛嬌があり、三原則の解釈によって起こるロボットの不具合の謎を解く展開はミステリのようでもある。ロビイ、キューティ、デイブが特に可愛いかったです。
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アイザック・アシモフのロボットSF短編集と紹介されることが多いけれど、実際読んでみると、まさに最後に書かれてるセリフの通り、これはスーザン・キャルヴィンの視点(より正確には彼女を取材してる記者の視点)で描かれる、ロボットと三原則の歴史…ってところでしょうか。思っていたよりずっと一貫したテーマのお話で続きが気になりスイスイ読めた。
一番面白かったのは「迷子のロボット」ですかね。キャルヴィン博士とロボットの緊迫した騙し合いに、この作品独特の面白さがかなりあった。 -
ずっと読みたいと思いながら、読まずに忘れ去ってしまっていた作品。
kindleでたまたま見つけたので購入。
SFの古典ではあるが、今読んでもよく練られた内容は興味深く、ミステリ要素も加わって古さを感じさせない小説。 -
“われわれの技術文明は不幸や悲惨さを取りのぞいたけれど、それ以上の不幸や悲惨さを作りだしてもいる。”
「ロビイ」がお気に入りです。 -
ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、ひとの心を読むロボットのハービイなど、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。
ロボットSF。未来の世界の人間とロボットの関係が描かれている。1940年に書かれた「ロビイ」、42年の「堂々巡り」という話が良かった。80年も前に書かていている話にも関らず全く古臭くない。