武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景 (角川ソフィア文庫) [Kindle]

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  • 下級武士である尾崎石城の日記から、幕末期の武士の暮らしを覗く本。まさにブログを読むような面白さ。下級武士の仕事は週に2〜3日の登城ぐらいであるため、毎日語らい、酒を呑み、なんだか楽しそうである。もっとも、封建時代の理不尽さにやっつけられている様子もある。生きた足跡というものは、それだけでエネルギーがあるな。

  • 現在の埼玉県行田市にあった忍藩十万石の下級武士の尾崎石城の絵日記。彼は絵も書も上手であったらしく、人々から頼まれて屏風絵や扇絵などを描いている。この絵日記を読むと、江戸時代の武士の生活のイメージが変わる。士農工商で身分が厳しく分けられていたと習ってきたが、武士も町民も僧侶も男も女も、みんな仲良く和気藹々に付き合って生活している。武士も下級武士と中級武士(例えば百石取り)とも家へ呼ばれたり呼んだりして社交している。男女も厳しく分け隔てされているかと思うと、夫婦一緒に仲良く談笑したり、近所の人たちが集まって会食したり笑いあったりしている。毎日の生活は質素であるが、祝いの日などは豪華な食材を食べている。困窮した仲間があれば皆でなんとか助けようとしている。そんな暖かい生活が記録さえている。

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著者プロフィール

昭和19年、神戸市生まれ、熊本県立大学名誉教授。九州大学大学院博士課程(建築学専攻)修了。工学博士。歴史は現在の問題から遡るべきという理念のもとに、古代から現代までの日本住宅と中国住宅、およびその暮らしの風景を研究している。 主著に、『日本の住まい その源流を探る』(相模書房)、『清閑の暮し』(草思社)、『武士の絵日記』(角川ソフイア文庫)などがある。

「2019年 『幕末下級武士の絵日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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