- Amazon.co.jp ・電子書籍 (221ページ)
感想・レビュー・書評
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これは国語の教科書として取り上げてもよいくらい明瞭な日本語について述べている本だ。
1章の単語に敏感になろう
の項目はちょっとした意味の違いを明確に教えてくれる。語彙を増やすことの重要性を説いている。
2章の文法なんか嫌いの項目では、
”文法が必要なのは、知らない言葉を学ぶときです。(中略)ところが学校では…みんな退屈してしまう。(中略)芭蕉も西鶴も近松も日本文法の教育など受けなかったのに、立派な日本語を書きました。”
という点に共感する。
また、助詞の「は」「が」の違いについて詳しく教えてくれる。
学校では主語と述語をつなぐ文字としてしか語られないが実際はかなり異なっている。
例えば「象は鼻が長い」は「主語+(主語+述語)」と学校では習うがそうではないのだ。
「は」の働き
1:問題(topic)を設定して下にその答えがくると予約する
2:対比
3:限度
4:再問題化
「が」の働き
1:名詞と名詞をくっつける
2:現象文をつくる
後半の敬語の章は非常に難解。
さいごに、
著者は志賀直哉を非常に明瞭な日本語を書いた作家として一目置いている。がその一方で敗戦時に「日本語なんかやめてフランス語か英語を公用語にするべき」と言った志賀に対して、文明と文化を理解していない愚か者とも評している。
日本語学者がここまで志賀を罵倒しているのを見たことがない。一神教的に崇拝しているのではない(公平な目で見ている)という点で評価できるのではないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『は』と『が』の使い分けが面白かった。
縮約と要約の違い。
『だが』で文を続けて長い分を書くのは良くない。 -
基本の文法がとても分かりやすい。
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練習帳という名の通り、日本語の練習問題に答える形で書き進められている。一見、簡単に思える問題もあれば、あらためて、日本語の語感の微妙な違いについて考えさせられる問題もある。第1章「単語に敏感になろう」とあるように、1つ1つの単語に分解し、それぞれあうコロケーションを考えてみるのもよい頭の体操になりそうだ。ヤマトコトバ、漢語、カタナカ語、それぞれの働きおよびルーツを知ることもできる。
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学校では習わなかった日本語の文法について書かれていて、そして設問がたくさんあった。本当に「練習帳」だった。最後のページには配点表までついていた。例文には、さまざまなものが取り上げられていて、それを読むだけでも楽しい。2回目を読むときは、きちんと設問に取り組もうと思う。