2018/08/21 読了
大阪に適塾を開いた、緒方洪庵先生の霊言。自分は文字上でしか知らなかったが、適塾は実学や合理主義をある程度重んじる校風だった。
・インドのように生まれによって人の尊さが決まるという国はやはり停滞する。学問は、それをやった人を根底から変える力を持っている。
・上求菩提・下化衆生。大学というものも、裾野を広げれば広げるほど「免許皆伝」が甘くなり、質を下げてしまう。(留年する学生がたまっていく状況はよくないから)。その中で、同時に、より質の高い教育をしてゆくか、ということが課題である。
・教育者の本文は「仁」つまり徳を含んだ愛。自身が金持ちになれなくとも、弟子に金持ちになる方法を教えるのが学者の使命であり、それを嫉妬せず黙々と仕事をこなしてゆく姿勢が必要。
・自分の専門外の分野も、3年勉強を続ければ一定のレベルまでゆく、根気強く続けること。洋服を作れるレベル(つまり専門家)までいかなくとも、これが上質の服かどうか判断できるレベルは作れる。
・理系学問はどうしても善悪や利益の判断などに弱い。文系学問と理系学問が共存すべき。