晴れた日は謎を追って がまくら市事件 (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 5人の作者が同じ街を舞台にそれぞれ別の話を書いた小説。正直単体で見たらイマイチな話もあったが、作品の順番が絶妙で1冊を読み切った時の満足感はそれなりにあった。

    ■第一章 
    弓投げの崖を見てはいけない(道尾秀介)
    最後誰が死んだのか一回では理解できなかったので後でもう一回読みたい。文章が魅力的で引き込まれた。

    ■第二章 
    浜田青年ホントスカ(伊坂幸太郎)
    稲垣さんのキャラクターが面白かった。ちょっと奥田英朗の伊良部シリーズを彷彿とさせるような楽しい話だった。まさか第一章に繋がる部分があったとは。あとで石で殴るシーンをしっかり見直したい。ホントスカという口癖の伏線回収は特になかったように思えたが意味はあったのだろうか。これまたラストの解釈が難しい。

    ■第三章
    不可能犯罪係自身の事件(大山誠一郎)
    真知博士のキャラクターは良かったが事件のトリックがちょっと奇抜すぎた。第二章が面白かったのでイマイチと思ってしまった。トリックが分かってくるまでは面白かったので少し残念。

    ■第四章
    大黒天(福田栄一)
    ワクワクしながら読めて面白かった。まさかお姉さんが警察だったとは。おばあちゃんのその後が気になった。

    ■第五章
    Gカップ・フェイント(伯方雪日)
    破茶滅茶な内容すぎた。大きな台座を動かしたトリックは予想できたしギャグと考えれば受け入れられたが、さすがに百々の死因は雑すぎた。

  • 5人の作家さんが蝦蟇倉市で起きたさまざまな不可能犯罪を解決するお話を綴っているアンソロジー。道尾さんとか、伊坂さんの作品はもちろん、他の方々の作品もとても面白かったです。蝦蟇倉市では、密室で殺人事件が起きたり、おかしな出来事が起きるなど年間15件も不可能犯罪が起きている。それを解決する担当刑事や、学者、学生。いろんな人が出てきて、いろんな思惑が蠢く蝦蟇倉市の景観や名物なども取り混ぜて楽しめます。実は読み始めて、1回読んだことがあることに気付いたのですが、2回目でも面白かったです(忘れてるだけ)。軽快なリズムで読めてオススメ。

  • ある架空の街を舞台にして書かれた競作短編集。伊坂、道尾以外は知らなかったけれど、ミステリーとしてのレベルが高くて楽しめた。特に、本格物が好きな人にはお勧めだと思う。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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