聴き屋の芸術学部祭 〈聴き屋〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
3.25
  • (2)
  • (6)
  • (12)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 74
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (251ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 聴き上手な性質が噂で広まり、無償で愚痴他よろずの『聴き屋』をやっている主人公。学部内で起こる多種多様な事件を、主人公は『聴き屋』で得た情報を元に解いていく。

    まず『聴き屋』という仕組みが面白い。
    大半の探偵役は自らの足で情報を集めるが、この主人公の場合情報が勝手に転がり込んでくる。他愛ない雑談や愚痴のどこかに伏線が巧妙に仕込まれているわけだ。

    主人公の青年は今時風のちょっと冷めたタイプで、愚痴は淡々と聞き流し、ボケにはしっかりツッコミを入れ、奇抜な友人を上手にあしらう。会話も地文も軽妙でテンポが良い。文体はかなり好みだ。

    その割に★3なのは、肝心のミステリー部分に無理があるため。特に一話目。犯人の動機も、犯行自体も、そしてキーになる女性の行動もなにもかも首を捻るばかり。
    謎解きをほぼ会話で済ませているのも難点で、謎解きパートの会話は冗長に感じる部分もあった。

  • 聴き屋という面白い設定からの推理小説
    とんでも推理とおもいきや、何故か納得させられる理詰めのバランスが素晴らしかったw
    バランスがいいから妙に引き込まれました

  • 大学生のゆるーい雰囲気がうまく表現されていて、楽しく読めました。軽く読ませることを意図した小説はたくさんあって、もちろん読みやすいんだけど、えてして読み終えて30分もすれば、中身をすっかり忘れてしまっているものです。でも、この本は、読んだあと、いい気持ちが持続していて、またこの人の本を読んでみたいなと思わせる磁力をそなえているように思います。それで、ほんと最近、この聴き屋シリーズの続編が出たので、嬉々として買い求めてみました。まだ読み始めてないんですが、いつ手に取ろうかとわくわくしています。(2015年8月30日読了)

  • 人の話しを聞くだけの「聴き屋」
    学内のトラブルを、聞くついでに解決。
    まったりミステリー。

  • 聞き上手な大学生が遭遇する事件を解く短編集。
    日常の謎的ほんわかとした雰囲気に油断していると死体が出てきたりするが、被害者が主人公たちと関わりのない人々なので全体を通して軽快なトーンで読みやすい。多くの人が話をきいてもらいにやってくるため、事件の情報が自然と集まってくる設定もいいし、他のレギュラー陣も個性豊かで面白い。続編にも期待。

全7件中 1 - 7件を表示

市井豊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×