つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 (講談社文庫) [Kindle]
- 講談社 (2014年12月12日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (215ページ)
感想・レビュー・書評
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2023.11. audible
やっぱり好き
前回の「つぼやきのテリーヌ」同様
今回も10年前のエッセイとは思えない新鮮さ
2014年に出してるなんて…
新鮮に感じるということは、
日本はそこまで変化してきないということか?
コロナを経て、ある部分的なところは改善された感はあるけど、
根本は変わらないということか?
Amazonの本の紹介
実は、僕の研究室にいた秘書さんが、カトリーヌという渾名だった――。小耳に挟んだ日々の小事から死生観、自己紹介まで、全一〇〇個の笑えて、考えさせられて、納得する森イズム。役に立つか立たないかは読む人しだい、でも読めば確実になにかが変わる。『すべてがFになる』などの超ロング&ベストセラ連発、絶大な人気を誇る森博嗣の等身大。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
他者に好かれたいという気持ちが人間の最も弱い部分。嫌われても良いからしなければならないことが時々ある。嫌われる覚悟とは、他者に嫌われることの普通さを知ることにほかならない。人から嫌われることは異常ではない。普通のこと。自分にまったく落ち度がなくても嫌われることはある。生きているだけで、存在しているだけで、誰かからは反感を買う。会ったこともないのに日本人というだけで嫌われることもある。だから嫌われるなんてことは、それほど重大な問題ではない。嫌われるより好かれる方が、ほんの少し僅かに良いことは確か。しかるによほど好かれない限り具体的な利益は望めない。軽い好き嫌いは「気のせい」のレベル。ずっとずっと大事なことは自分に嫌われないこと。自分の考えに対して誠実に行動すること。そのために多少周囲の他者から嫌われてもそれは仕方がない。嫌う人も好いてくれる人もどちらもいない、どっちつかずの人生よりは遥かに良い。
ふざけたタイトルからは思いもつかないコンテンツ。凛として整然。何者にもこびない清冽に打たれる。読めば読むほど滲み出てくる。 -
2016/1