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感想・レビュー・書評
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1991年刊。図書館で紙の本を借りたが、ネット検索では電子書籍しか出て来なかった。
中心人物は13歳。地球で、日本らしき国ではあるが、時代は未来? 何かと新旧を取り混ぜている。未来要素と昭和初期?的な表記や設定。13歳だがタバコが合法。様々な標本が宝でありながら、家族制度は未来的。等など…。
BL的に読める展開が多く、その方面が好きな人はかなり妄想を膨らませられると想像する。
表現が凝っていて、文章が中々頭の中で画像化出来ない…。慣れるのに少し時間が必要だった。頭の体操にも良いかも。普段使わない頭の使い方をした気がする。下手をすると読んでいて眠くなる。
不思議な作品だったが、意外と読了時には面白いと感じていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何年ぶりかに再読。
実際は文庫版ではなく単行本で。 -
長野作品の素晴らしさがこれでもかというくらいにぎっしり詰まった短編作品。
これといった出来事はない、ただ1年を通して仲が良いふたりの少年が新学期に学校に行ったり、天体観測をしたり、ちょっと悪いことをしたり、お祭りに行ったり、喧嘩したり、放課後寄り道をしたり、兄弟関係の悩みを打ち明けたり、本当にただそんな感じのこと。それがすごく良い。長野さんの独特な文体が、そういう何気ない日々の小さな出来事を何とも鮮やかで楽しげに見せてくれる。そして、この人が書く少年たちはどこまでも女性が理想として見てしまうような、そんな少年たちで。
こういう作品、また出してくれないかなあ、とひそかに願ってしまいます。