人間の証明 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 中学生位の頃、TVドラマで見て以来、原作は初見
    横溝正史氏が「交響楽的小説」と評しておられますが、まさに!
    ママ〜どぅゆぅりめんば〜
    ジ、オールドストローハット
    ユーゲイブトゥミ〜
    だったかな?主題歌

  • おもしろかった 複数のストーリーが並走してどう収斂するかと思ってたらなるほど ちょっと都合良すぎなところはあったけど十分に楽しめた(野性の証明みたいにならなくてよかった)

    とくに小山田と新見の関係が徐々に変化していくところが興味深かった

    母親がじつはあの時の女性というのもだが アメリカ人の警官もまた というのはちょっとできすぎた因縁になっちゃうけど

    それにしても麦わら帽子の詩を使った映画の宣伝は子ども心にもはっきりと覚えている 1977年てことは10歳だぞ 優作が主演なのか これは映画も観たいな
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E8%A8%BC%E6%98%8E

    そしてあとがきが3回に渡って掲載されているが 2回めの内容が執筆当時からの時代の変化を感じさせられるものになっててちょっと唸った 子を想う母親の愛情が事件を解決へと導く自供のきっかけとなったが それが今や母親が子どもを虐待し死に至らしめる時代になってしまっているというもの それはさらに現代でも続いていて もちろんそうでない母親のほうが大多数ではあるが 森村がそのあとがきを書いた頃からさらに世の中はおかしくなってしまっていると言ってしまうのは性急すぎるだろうか でもいろんなことがおかしくなっているような気がする

  • 20年ほど前に読んだ名著「人間の証明」を再読。
    何度読み直しても胸に迫るものがある。
    氷のように冷たい女だと思っていた真犯人にも、人間として、母としての心が残っていたことが分かり、少しだけ心が救われる。

    そして、アメリカでの衝撃のラストシーン。
    因果応報は必ずあることを示唆している。

    敗戦、戦後の混乱、GHQの支配、当時の日本人の生き様が生々しく描かれている。
    50年前に書かれた小説らしいが、名著というのは時代が変わっても色褪せない。

    終戦後にまつわる暗い過去を持った女性が社会的に成功し、それが原因で犯罪を犯すというストーリーは、松本清張の「ゼロの焦点」と、とてもよく似ている。

  • 複数の人間ドラマが絡み合って結末に進む。良き昭和臭と著者の力強いメッセージを感じる名作。昭和の雰囲気が分かる方、好きな方におすすめ。きっちり終わる読後感が良かった。

  • かつて流行に遅れまいと手に取ったのを懐かしく思いながら40年ぶりに再読。
    並列独立した複数のストーリーが時に交わりながら最後に大きく一つに収斂してゆく展開は流石の一言。
    時代背景など一部に隔世の感もあるもののそれを差し引いても大いに楽しめ満足のうちに読了。

  • 森村誠一氏の訃報をニュースで知って、代表作を読んでみようと思った。ミステリー小説だとは思わなかった。

    自分が生まれる前の著書が、図書館に所蔵されていて、それを手に取れたのは、今までこの本を借りてきた人達の跡を継ぐような気持ちであった。

    数十年前に書かれたにもかかわらず、現在で、特に問題視されているような社会問題について書かれていたり、たいへん共感を持った。タイトルの通り、人間の証明、何が人を人たらしめるのか、そういった深い事を考えさせられる作品であった。一度は読むべき作品である。

  • テンポよく個性ある登場人物ごとのストーリーが進んでいくので飽きない。
    伏線がおおいに散りばめられてあって、後半怒涛に回収されていった。無駄な描写がない。
    タイトルの意味は、最後まで読まないとわからない。どちらかというとサイコな殺人鬼は人間じゃねぇという落着になるのかと想像していたが、見当違いであった。

  • 悲しさが詰まってる。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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