至高の靴職人 関信義-手業とその継承に人生を捧げた男がいた [Kindle]

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  • 靴屋さんに薦められて買って読んだ。自分の知らない話が多く出ていて、もっと前に分かっていたら良かったと思った。ゼノビの黒のストレートチップを履いているが、まだ、底は一回張り替えただけである。チャーチ(プラダ前)のディプロマットは、黒が2回、茶は3回張っただけであり、いつも履いているゼノビのバックスキンは2回張っている。この本を読んで、津久井さんの靴を履きたいと思った。しかし、自分の収入では高すぎる。靴は生活の一部であり、自分の生活全般とバランスの取れたものがいいのだろうな。それでも、津久井さんの靴は履いてみたい、死ぬまでにチャンスがあればいいと思う。若いころは、足首の上と下で金額を合わすのが基本だったように思うが、今は上がってきており膝か腰ぐらいなのかな?

    ○ウエルトという細長い革片を媒介にして、足の甲を覆うアッパーと地面に接するソールを手で縫い上げる製法をハンドソーンウエルトといい、これを機械化したのがグッドイヤーウエルトである。
    ○彼らがデザインの才で商業的な成功を収めると、自身の名を冠するスタイルはありふれたものになっていった。鮮度が失われれば、凡百のつくり手に残るのはただ醜悪な自己主張ばかりである。そこに軽薄を感じるのも仕方がない。
    ○爪先を一文字に切り替えるデザインを並短といい、欧米ではキャップトウ、あるいはストレートチップと呼ばれる。
    ○これみよがしに着飾ったら野暮だ。ひと目でそれと気づかない、繊細な注意を払った着こなしこそが粋であり、それは靴というプロダクトにも通じる。
    ○海外の名のあるブランドと提携、その名を借りたコレクションである。ロイヤリティさえ払えば、本来必要な育成にかける金と時間が大幅に節約できる。
    ○仕事を断ることがなかった。それは下請けでやってきた職人の風格とでもいうべきものであり、いかに奇想天外であろうと、安物であろうと、なにかしら得られると信じているからだった。
    ○職人にはただの職人とプロの職人がいる。ただの職人ってのは靴づくりがメシを食うためだけの手段で、自分がつくった靴で人を感動させられるのがプロの職人。おれはね、プロの職人でありたい。

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