加藤清正 太閤の夢に殉ず (PHP文庫) [Kindle]

著者 : 佐竹申伍

• PHP研究所 (1994年3月15日発売)

感想・レビュー・書評

[dm8774さんの感想 · 2019年2月12日]

語り口が素晴らしい｡必ずしも加藤清正を描くからと言って彼と敵対した石田三成や小西行長を悪く描くでもなく､中立的な筆致で加藤の生涯を書く｡しかしながら真実への探求という点では物足りない｡例えば､加藤は朝鮮出兵の折､自らを加藤豊臣の朝臣清正と名乗ったことで秀吉勘気を蒙り謹慎していたが慶長の大地震で伏見城が壊れたときいち早く秀吉のもとに参じて許されたという｡でもね､どうもこれ清正はその時大阪になんか居ないっぽいらしい｡さらに死に際して本書は家康よりもらった丸薬が毒だったという展開にしているが､どうかな｡飲んで徐々に弱って死んでいく薬､いやそんなものどうにも考えづらいのですけど...｡以上2点特に文句を言いたいけど､清正のことを簡潔に知りたい人にはおすすめ｡個人的には小西行長が朝鮮出兵の折に､とにかく早く終戦に至らせたいために､奮闘し､でもその一番の抵抗勢力はとにかく秀吉の最初の命令絶対の清正､という漫画のような構図が面白い｡小西くん､大変でしたね｡

[minami8893さんの感想 · 2016年11月18日]

朝鮮乱の詳細が、わかったのがこの小説だった。

著者プロフィール

作家

「2017年 『島左近 石田三成を支えた義将』 で使われていた紹介文から引用しています。」