軽薄[400枚]/金原ひとみ
命を賭けた愛に壊れた女。それ以後の生には希望も絶望もなく、ただ軽薄に過ぎ去るはずだった……。現代人の精神に巣くう空虚、その果てのぎりぎりの希望を描く入魂の長篇小説。
ローザ・ルクセンブルク通り/多和田葉子
都市が記憶する歴史への、めくるめく遊歩。
十一年間の思い出/青木淳悟
どこまでも広がる「小学校」の小さな宇宙。
■■ 連載小説 ■■
荒れ野にて(七)/重松 清
土の記(十)/高村 薫
ペインレス(十)/天童荒太
薄情(十一)/絲山秋子
長流の畔(十二)/宮本 輝
名誉と恍惚(十三)/松浦寿輝
■新潮
・パリ公演日誌/野田秀樹
・「悟り」は恐くない/魚川祐司
・【謹啓】父が死んデビュー/青木淳悟
◆第48回《新潮新人賞》応募規定
■第28回三島由紀夫賞発表
【受賞作】私の恋人(一部掲載)/上田岳弘
【選評】辻原 登/高村 薫/川上弘美/町田 康/平野啓一郎
◆受賞記念エッセイ「バックボーン」/上田岳弘
◆受賞記念対談「文学の更新」/川上未映子×上田岳弘
■ 対談 ■
◆愚かさに対するほとんど肉体的な厭悪/蓮實重彦×磯崎憲一郎
つつましさとあつかましさを兼ね備えた作家はいかに現代小説の可能性を切り開くのか?
■ 追悼 車谷長吉 ■
◆車谷三態/三浦雅士
◆友よ、やすらかに瞑れ/前田速夫
ジャン=リュック・ゴダール、3、2、1、 [第四回]/佐々木敦
石川啄木[第十三回]/ドナルド・キーン 角地幸男・訳
小林秀雄[第二十三回]/大澤信亮
見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
第一三〇回・ゴミ屋敷プロジェクト
■本
・宮本 輝『田園発 港行き自転車』/栗田有起
・金原ひとみ『持たざる者』/斎藤 環
・筒井康隆『世界はゴ冗談』/都甲幸治
・大江健三郎・古井由吉『文学の淵を渡る』/蓮實重彦