快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫) [Kindle]
- 河出書房新社 (2014年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)
感想・レビュー・書評
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食欲・性欲などの生存に必須の欲望からギャンブルや薬物、金銭欲、承認欲求や円滑な人間関係、知識欲など、あらゆる人間の快感は、脳の中の解剖学的にも生化学的にも明確に定義される「快感回路」(報酬系)を興奮させるという現象であることを紹介した、脳科学者の一般向け著作
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3大欲求に直接繋がらない情報(観念とか)で回路を動かせるのが人間の特徴みたい。で、そうしていくために必要なのは日々の経験。
という意味でありたい姿に確固たる意思で向かうには経験(行動)を重ねて何を報酬とするかを変えていく必要があるのかも
オキシトシン鼻スプレーで信頼しやすくなるのは面白い。愛で統合するってそういうことかもね -
性的快感のプロセスについて、具体的に描写されるとちょっと恥ずかしい。朝のジョギング中の読み上げ読書としては、イヤホンから音がもれる心配がないと思っても、微妙にやましい気分になってしまう。いや、真面目な話なんだけどさ。薬物や性、ギャンブルなど人間が快を感じるメカニズムについて、具体例や実験例を用いて解説してくれる。食欲や性欲は、生存や種の保存から来る生物的な本能としてわかりやすい。一方でギャンブル依存はメンタル的にワンクッションある気がするんだけど、そのあたりのメカニズム的な説明が面白かった。人間には不確実なことに対して快を感じる機能が備わっているんだね。
さらに興味を惹かれたのは、知りたい、情報そのものが快感に結びつくという話。知的欲求って、やっぱり本能の中に含まれるんだぁ。面白いね。
脳にはまだまだわからないことがある。脳だけが、人間の本性をつかさどるというわけでもない。こういう世界は、本当に知的快感を刺激してくれる。 -
快感回路は、ドラッグ、酒、高カロリー食、セックス、ギャンブル、慈善活動、そのどれもが脳に快感を与え、化学物質が脳に作用するしくみ、人間含む動物への実験方法、さらに依存症となるメカニズムについて現時点での研究を紹介する本です。