- Amazon.co.jp ・電子書籍 (289ページ)
感想・レビュー・書評
-
NDC(9版) 210.75 : 日本史
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第一次世界大戦、世界恐慌といった当時の日本を取り巻く世界情勢を序章としながら、戦争へと突き進んだ日本とその背景がわかりやすい。
戦中の主要な戦いを時系列にそれぞれ2ページで、何が起こったかだけではなく、どうしてその作戦が立案されたかという背景や意思決定に関わった人物とその概略が枠外に記されていて、読者の理解が進むように工夫がされている。
太平洋戦争は兵員や国民の人命を軽視した戦いとして一般的には理解されている。ガダルカナルでは3万人を動員しながら、2万人が戦死する激戦であり、無謀な作戦の代表例として取り上げられる事が多い。一方、決死の救出作戦が行われて1万人が別の島に移送されたという話は今回初めて知った。
また、北方のアッツ島は見捨てられ、玉砕を命じられたとした現地部隊の悲痛は記憶として我々に刻まれているが、近隣のキスカ島では、木村昌福少将率いる阿武隈を帰艦とする水雷戦隊が撤収に向かい、悪天候や米軍の哨戒機に阻まれながら第三次作戦で5200人を救出している。また、その前にも救出に向かった潜水艦3隻が消息不明となっている。
理不尽に玉砕を強いられた部隊が多くあるなかで、軍部にもこうした友軍救出の考えや実際の行動があったということを初めて知り、救われた気がする。 -
今日は終戦の日です。
まずは、この大戦で亡くなった方々、負傷された方々だけでなく、被害にあったご家族をふくめ、世界の皆様に追悼を申し上げます。そして、もう戦争がない世界を願って。
さてレビューを。
児童書コーナーから探し出した本ですが、
小学生高学年、中学生どころか大人でも知らなさすぎる事象などが詳細に書きあげれてます。
それもカラーで図解ですから、非常に読みやすい。
たとえに本土決戦のことは僕自身も少しだけ聞いたことあるモノでしたが、首都移転の計画を含め、長野県の松代に大本営を移す計画を初めて知りました。
人権など無視された時代ですが、神風特攻隊だけでなく人間魚雷「回天」の紹介も。
これらはあくまでも一部です。
ひょっとしたら、秘密保護法や集団的自衛権が可決され、戦争ができる国になってしまったため、出版社の方が、あえて児童書として出したのかもしれません。中高生だけでなく、大人も是非読むべき一冊かと思います。