他界からのまなざし 臨生の思想 (講談社選書メチエ) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  これはちょっと難解だったけれども興味を持って読んだところは多い。
     まずは臨生ってなに?という所からなんだけど、今を生きるわたしの味方ではなく、死の側(他界)から見るということ。客観的とはまた違うね。真宗的にはひっくり返された視点といえるかもしれない(軽々しいが)。
     まったく自分が知らない世界で興味を持ったのが世阿弥能の世界。これが死者の視点が舞台において繰り広げられる、観客を引っぱってくるというのがすごいなと。昔一度見たことがあるのだけど世阿弥能ではないのかも。一回こういう視点で見てみたいと思った。
     もう一つは懐かしい本を思い出させてくれた。『銀河鉄道の夜』。ジョヴァンニは生と死の狭間の視線を持っていたということ。懐かしい。そうかこれも読み返してみよう。
     正直著者の方の博学に頭が追いついていかない。でもこの方の話していることがおもしろいということだけはわかる。面白いと思ったところをじっくり読むのでもいいとおもう。こういう哲学的かつ死の側からの視線を語られるのは新鮮だった。どっちかというと言語でガチガチに伝えるところじゃないやわらかいところに触れる話なんだけど、ちゃんと堅い(難い)!

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著者プロフィール

広島大学名誉教授、NHK文化センター教員/専門は、哲学、現代思想、比較思想史。
著書に『瞬間を生きる哲学: 〈今ここ〉に佇む技法』(筑摩書房 2011)、『沈黙を生きる哲学』(夕日書房 2022)他

「2024年 『談 no.129』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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