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感想・レビュー・書評
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人生は一瞬、酒を飲んで楽しもう。表はエピクロス的。教科書で名前しか知らなかった本にやっとたどり着いた。酒の詩は好き
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アラブ・イスラーム世界の四行詩である。
詩に現われる言葉は
抽象度が高く文化的な共有意識を利用して語られることが多い。
そうなると文化的距離が離れていると理解しにくくなるわけだが
その距離を埋めるために各章立てに入る前にエッセイのような簡単な紹介がある。
これだけでも異文化の香りを愉しめるものだが
詩の中に立ち昇る感情の名前は違っても
何かを当てはめることができそうだ。
人の悩み、喜びにはそれぞれ同じような表情がある。
また、宗教的な背景が世界の背後にありつつも
ハイヤーム自身は科学者であり、
あまり敬虔な宗教者ではなかったという点も興味深い。
何かに幸せと名前をつけた時にしかし、それは
それぞれのバックグラウンドによってギャップがある。
彼自身おそらくそのような躓きがあったと思うし、僕らと彼の間にもある。
そのような段差をもってなお、読めるということは祝福すべきことなのだと思う。
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土を型に入れ、あのお方がおれを創ったのだから、
すべての罪咎はその土からきている。
これ以上良くなれといわれても、おれには無理。
おれを壺の土から、このように創ったのだから。
(p.54)
<<
なんだか、妙な明るさがある。
土から創られ、土に還るのが彼らの語彙。
砂と土の民なのだと思う。
>>
果てしれぬ広大な天空には、
人がのまねばならぬ盃がある。
お前ののむべき時がきても、溜め息をつくな。
楽しく盃をあけよ。他人とは代わりえぬ順番なのだから。
(p.159)
<<
空は大きな鎌として人の生命を握っているという見方もあるそうだ。
地平線の美しい世界と砂漠の夜は冷えるという話を思い出す。
潔く開き直った楽天である。