夏姫春秋(下) (講談社文庫) [Kindle]

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  • 紀元前640年〜570年ごろの中国春秋時代。
    中華中央部に位置する「鄭」に生まれた絶世の美女「夏姫」と彼女と絡む各国の男達を描く。

    当時の中華は、覇者である晋の文公が死去し、晋と楚の2強時代。
    特に両国に挟まれている、鄭・陳・宋などはどちらの国と同盟を結ぶかで国の存続が決まるような状況であった。

    「夏姫」と結ばれた男は、次々と死んでいく不幸に見舞われる。
    ・実の兄で鄭君主となる子夷
    ・陳の大夫
    ・楚の将軍
    ・楚の将軍の子

    夏姫は「風を吹かせる」というが、その噂を聞いた楚王でも何者か理解できない中、楚の大夫である「巫臣」が彼女を救うために楚という国ごと騙す策略をかける。

    実際に「風を吹かせる」能力を持っていたのは侍女の方かもしれない終わり方がとても好き。

    最後に余談を2つ。
    ・同時期の宋には「華栄の丘」で描かれる「華元」がいる。
    ・巫臣の息子「狐庸」は後に呉の宰相となる。

  • 2019.8.20読了

  • 春秋戦国時代の中国の物語。表題の夏姫の生涯を辿る物語かと思うと、そうでもない。強いていえば、当時の人々の価値観の紹介、というのに近い。夏姫の子である子南の生きざまは涙を誘うが。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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