哲学な日々 考えさせない時代に抗して [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 前半のエッセイは面白く哲学エッセンスを語っている。
    後半はやや?切れ味落ちる。

  • - 心地よいエッセイでした。
    - ***
    - 目的地を目指して走るだけでは、人生というのはもったいないのではないか。
    - よいとか悪いとか、そういう判断をやめて、そのまま受け入れる。肯定するのでも否定するのでもなく、ああ、こういうものなんだと、世界を受け入れる。
    - 何かを為すときには、そのこと自体がもたらす達成感こそが、その行動の原動力になるのである。この、自分自身の内側から生み出される駆動力を、「ほめられるためにがんばる」という行動原理は奪ってしまう。ほめるのではなく、共に喜ぶこと。何かがうまくできたなら、一緒に喜んで、子どもが感じている喜びを増幅する。そうして、その子が自分の内側から感じる喜びを引き出してあげるのだ。
    - 哲学では、難問に出くわしたときには、むしろ問題の立て方を疑ってかかる。問題が解けないのは、私がバカだからではなくて、その問題が誤った前提のもとで立てられているからではないか。ならば、その誤った前提をこそ突き崩さなければいけないといったように。
    - 私たちは自分の人生 の中で、さまざまなものごとを自分にとって価値づける。つまり、人生そのものがものごとを価値づける物差しなのである。だとすれば、その人生そのものの価値を計るということには、構造的な困難がある。

著者プロフィール

1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『増補版 大人のための国語ゼミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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